📍 はたらく階段|STEP 1
この記事は、札幌市東区の就労継続支援A型事業所ネクサスリンクが、A型事業所から就職までに身につけたいことをまとめたシリーズの1本です。順番や、いま自分がどの段にいるかはシリーズの目次と読み方をご覧ください。全部読まなくて大丈夫です。
先に3行だけ書いておきます。
- 特性は、直すものでも、隠すものでもありません。あなたの個性です。
- 個性は人それぞれなので、あなたに合う働き方は、あなたにしか見つけられません。それを探す場所がA型です。
- 今日やることは「苦手をひとつ、書き出す」だけです。対処は空欄で構いません。
「音がつらい」の4文字でも十分です。ここまで読んで閉じてもらっても構いません。
特性は「欠点」ではなく「個性」です

音がつらい。電話が無理。朝が動かない。同時に2つ言われると飛ぶ。優先順位が付けられない。
こういうものを、「直すべき欠点」として扱わないでほしいと思っています。直そうとしても、たいてい直りません。直らないものを直そうとしている時間が、いちばんつらいはずです。
これは、あなたの個性です。背が高い低い、暑がり寒がりと同じで、いい悪いの話ではありません。
そして、認めないまま無理を通そうとするほうが、確実に壊れます。まず認めることが先です。順番を間違えないでください。
ただ、「個性です」で話を終わらせると、そこから何も動きません。個性を認めることには、続きがあります。
個性は人それぞれなので、あなたに合う働き方も、人それぞれです。全員に当てはまる正解はありません。だから、自分に合う形は、自分で見つけていくことになります。
それを探すのが、A型で働く期間の中身だと思っています。
「できない」のあとに、もう一言だけ
自分の個性を認めたうえで、ひとつだけ提案があります。
「自分は◯◯だから、これはできない」のあとに、もう一言足せると、ずいぶん変わります。
電話が苦手です。チャットでもいいですか。
「できない」までは同じです。そこに1行足しただけで、話が先に進みます。
逆に、そこで文が終わってしまうと、その先が出てきません。半年後も同じところにいる。それが悔しい、という気持ちがあるなら、この一言だけ覚えて帰ってください。
もちろん、この一言が出てこない日もあります。思いつかなければ、そこは職員に丸投げして構いません。「これが苦手なんですが、どうしたらいいですか」で十分です。一緒に考えるのが職員の仕事なので、遠慮は要りません。
「できない」を、3つに分けてみる
ひとくちに「できない」と言っても、中身は3種類あります。
| 種類 | 例 | やること |
|---|---|---|
| ① やり方を変えればできる | 電話が無理/口頭の指示が飛ぶ/同時に2つは無理 | やり方を変える(チャットで受ける・紙でもらう・1つずつにする) |
| ② 手伝ってもらえばできる | 優先順位が付けられない/段取りが組めない | 相談する(順番を一緒に決めてもらう) |
| ③ やってみて、この形では無理だと分かった | どうしても電話の仕事は続かなかった | 別の道を探す(次の項目で書きます) |
先に、大事なことを3つ書いておきます。
- 分けるのを、ひとりでやらなくて大丈夫です。分けられなかったら、そのまま職員に見せてください。「これ、どれですか」で構いません
- 間違えていいです。あとで変えていいです。正解を当てる作業ではありません
- 日によって変わるものは、両方に書いてください。調子のいい日はできて、悪い日は無理。そういう項目のほうが普通です
やってみると、①がけっこう多いです。やり方を変えれば済むことが、思っていたより多い。そこが分かるだけで、この表の役目は果たせています。
③が分かったら、それは前進です
やり方も変えてみた。手伝ってもらった。それでも無理だった。
そういうときに「自分はダメだった」と受け取ってしまう方が多いのですが、そうではありません。「この形では無理」が分かったのは、前に進んだということです。やってみないと分からなかったことが、1つはっきりしました。
そして、ここからが本題です。
「じゃあ、自分はどういう形なら働けるのか」——これを考えるのは、あなたにしかできません。
職員は、候補を出すことはできます。「こっちの作業はどう?」「時間帯を変えてみる?」と提案もできます。でも、やってみてしっくりくるかどうかを判定できるのは、本人だけです。外からは分かりません。
だから、探し方はこうなります。
- 試す。合わなそうでも、一度やってみないと分かりません
- 合わなかったら、どこが合わなかったかを覚えておく。「作業自体はよかったが、人が多い場所が無理だった」など
- 次を試す。1つ消えるたびに、残った候補がはっきりしていきます
これを繰り返して、自分が働ける形を見つけていく。A型で過ごす期間の、いちばん大事な中身がここだと思っています。作業を覚えることより、こちらのほうが先に来ます。
どうしても無理だったら、別の仕事があります
「試して、合わなかった」の受け皿がなければ、試せません。だからそこを書いておきます。
ネクサスリンクにはIT・事務・デザイン・動画・飲食の仕事があります。性質がかなり違うので、合う・合わないもはっきり分かれます。
- ひとりで黙って進める作業(データ入力、商品登録、経理事務)
- 長く同じ画面に向かう作業(デザイン、動画編集、コーディング)
- 手を動かして、その日のうちに終わる作業(調理、パン、たこ焼き店)
- 時間帯そのものを変える(狸小路のたこ焼き店は15時からのシフトです)
どれが合うかは、正直やってみないと分かりません。ただ、合わなかったときに辞めなくていいのは、大きいと思います。事業所の中で移れます。
「向いていなかった」ではなく、「1つ試して、1つ消えた」です。消えるほど、残りがはっきりします。
連絡・報告・質問は、形を変えて残ります

どの仕事に移っても、形を変えれば残るものが3つあります。休むときに連絡する。仕事を受けたら終わりを報告する。分からなければ聞く。
この3つは、やり方を変えれば、たいてい通ります。
- 電話が苦手 → チャットで連絡する(休む日の連絡のしかたに文例があります)
- 声が出ない → 会釈やうなずきで返す(挨拶と返事の段のほうに書いてあります)
- 口で説明できない → メモに書いて渡す
ひとつ、はっきりさせておきたいことがあります。配慮は、がんばった人へのご褒美ではありません。必要なら出るものです。何かをやっているから通る、やっていないから通らない、というものではありません。
ただ、「電話ができない」で止まっているあいだは、何に困っているのかが、こちらから見えません。苦手なのが電話なのか、連絡そのものなのか、その日の体調なのか。それが分からないと、出せる案が浮かびません。
だから、やり方を変えて試してみることには意味があります。「チャットならできた」も「チャットでも無理だった」も、どちらも大事な情報です。失敗したほうが、むしろ次が決まります。
まずは、苦手をひとつ書き出す
やり方は3段です。今日は1段目だけで構いません。
| 段 | やること | 難易度 |
|---|---|---|
| 1 | 苦手をひとつ、紙かスマホに書き出す(「音がつらい」だけでいい) | すぐできます |
| 2 | 3種類のどれかに分けてみる(分からなければ空欄) | 少し考えます |
| 3 | 職員かサビ管に、書いたものを見せる | ここが一番きついです |
3段目は、1段目とは重さがまったく違います。人に見せるのが、いちばん難しいのは分かっています。だから、1段目で止まっている期間が長くても構いません。書き出したものは消えないので、いつでも使えます。
3段目まで行くとき、口で説明しなくて大丈夫です。書いた画面を見せるだけ、紙を渡すだけでかまいません。それも、面談のときでいいです。
対処は、空欄で構いません
「苦手」と「どうしているか」をセットで書けると理想的ですが、対処は思いつかなくて当たり前です。
空欄のままで大丈夫です。そこは、あとから職員と一緒に埋められます。というより、候補を出すのが職員の仕事です。あなたが用意するのは、左側の1行だけです。
ひとつだけ気をつけてほしいのは、苦手だけを何十個も並べないことです。埋まらない欄が並ぶと、見返すのがつらくなります。1個か2個から始めてください。
なお、自分の特性がはっきり分からないという方も多いと思います。無理に言葉にしなくて大丈夫です。次の診察のときで構わないので、主治医の先生に聞いてみてください。サビ管との面談で一緒に整理することもできます。
悪い流れを、ひとつずつ断ち切る
最後に、いちばん大事なことを書きます。
働けなくなってしまう理由は、特性そのものだけとは限りません。それまでのあいだに、身についてしまった流れがあることが多いです。
- 困っても、黙って抱える
- 分からないまま、聞かずに進める
- 連絡しないまま、休んでしまう
- うまくいかなくなると、その場から消える
これは性格でも、特性でもないと思っています。聞いたら怒られる、言ったら責められる。そういう場所にいれば、誰でもこうなります。身につけさせられた、と言ったほうが近いです。
ただ、身についたものなら、変えられます。特性のほうは変わりませんが、流れのほうは変わります。
一度に全部は無理です。ひとつずつ断ち切っていくしかありません。
「口頭の指示が飛ぶ」を1行書いて、次から紙でもらうようにした。それだけで、その日から作業のミスが減ります。特性は1ミリも変わっていないのに、です。そして「聞いても怒られなかった」という記録が1つ増えます。
そういうものが3つ4つ積み上がってくると、黙って抱える癖のほうが弱くなっていきます。良い流れは、そうやって作るものだと思っています。
ネクサスリンクは、札幌市東区・地下鉄東豊線「東区役所前駅」ほぼ直結の就労継続支援A型事業所です。仕事の内容も時間も、体調に合わせて相談できます。音や光がつらい方は、感覚過敏で仕事がつらいあなたへのほうもご覧ください。
まとめ
- 特性は、直すものでも隠すものでもなくあなたの個性。まず認めるのが先です
- 個性は人それぞれなので、合う働き方は自分で見つけるしかありません。それを探すのがA型の期間です
- 「この形では無理」が分かったら、それは前進。1つ消えるたびに、残りがはっきりします
- 働けなくなる流れは身についたものだから、ひとつずつ断ち切れます
最後に
今日は、苦手をひとつだけ書き出してみてください。直さなくていいし、対処も要りません。書くだけです。
それが、自分に合う働き方を見つけていく1行目になります。
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札幌市東区の就労継続支援A型事業所ネクサスリンク
































