📍 はたらく階段|STEP 3
この記事は、札幌市東区の就労継続支援A型事業所ネクサスリンクが、A型事業所から就職までに身につけたいことをまとめたシリーズの1本です。順番や、いま自分がどの段にいるかはシリーズの目次と読み方をご覧ください。全部読まなくて大丈夫です。
先に3行だけ書いておきます。
- 改善は、続けている人にしかできません。毎日やっている人だけが、違いに気づけます
- 出発点は「なぜ、これが起こるんだろう?」です。根性の話を、仕組みの話に変えます
- 今日やることは、「ちょっとやりにくいな」を1つ見つけるだけです。直さなくていいです
淡々と続けることは、それだけで価値です

先に、これを書いておきます。
毎日同じ作業を、淡々とこなす。これは、それだけで立派な仕事です。コツコツ続けることは、STEP 2 からずっと書いてきたとおり、すべての土台です。
この記事は、「続けるだけではダメだ」という話ではありません。続けている人だけが持っている武器の話です。
続けている人にしか、見えないものがあります
毎日同じ作業をしていると、こういう瞬間があると思います。
- 「ここ、いつも手が止まるな」
- 「この工程、ちょっとやりにくいな」
- 「あれ、いつもと違うな」
この感覚、実はすごいものです。
「いつもと違う」が分かるのは、「いつも」を持っている人だけです。たまにしかやらない人には、いつもがありません。だから、違いに気づけません。
毎日続けてきたことで、あなたの中には「いつも」という物差しができています。そこに引っかかる小さな違和感が、改善の種です。
改善は、続けている人にしかできません。続けてきたあなたは、もう資格を持っています。
出発点は「なぜ、これが起こるんだろう?」
種を見つけたら、次はこの一言です。
「なぜ、これが起こるんだろう?」
とくに、同じミスが続くときに効きます。
同じミスを繰り返すと、「自分がダメだから」と思いたくなります。そこで終わらせないでください。「なぜ」を1回はさむと、見えるものが変わります。
| 考え方 | 行き先 | |
|---|---|---|
| 「なぜ」なし | 「また間違えた。自分はダメだ」 | 気をつける(また起きます) |
| 「なぜ」あり | 「なぜ間違えた? → 似た商品が隣に並んでいるからだ」 | 並び順を変える(起きなくなります) |
「気をつけます」は、対策ではありません。気をつけていても、人は間違えます。
「なぜ」を1回はさむだけで、根性の話が、仕組みの話に変わります。そして仕組みは、変えられます。
失敗しやすいことこそ、改善の場所です
同じ失敗が続く場所は、あなたの性格の欠陥ではなく、仕組みが足りない場所です。
仕組みで防ぐ手は、だいたいこの3つです。
| 手 | 例 |
|---|---|
| チェックを1つ足す | 送る前に、宛先だけ指さし確認する |
| 置き場所を変える | 間違えやすいものを、離して置く。よく使うものを、手前に置く |
| 順番を変える | 忘れやすい工程を、最初に持ってくる |
どれも、頑張りを増やしていません。頑張らなくても間違えない形に、変えているだけです。
失敗は、行動した証拠だと書きました。その失敗を材料にして仕組みを1つ変えると、失敗が「防止装置」に変わります。ここまでやると、失敗は完全に元が取れています。
変えるのは、1つだけです
改善のコツは、これだけです。
一度に変えるのは、1つだけ。
理由は2つあります。
- 一気に3つ変えると、どれが効いたのか分からなくなります
- いつもの流れを壊しすぎると、続けること自体が崩れます
1つ変えて、数日やってみて、結果を見る。良ければ残す。効かなければ戻す。この「変えて、見て、決める」の繰り返しが、改善のすべてです。
期限の記事で「ラインを調整すること自体が練習」と書きましたが、あれと同じ型です。
勝手に変えずに、共有します

1つだけ、ルールがあります。
決められた手順を変えるときは、先に職員さんに話してください。手順には、見えない理由があることもあるからです。
言い方は、これで足ります。
「こうしたほうが早いと思うんですが、試してみていいですか」
これは、アドバイスの記事で書いた5段目、「自分のやり方を出す側」そのものです。あの階段の一番上に、ここでたどり着きます。
そして、あなたの工夫が良ければ、みんなの手順になります。自分が楽になるだけでなく、事業所の財産になるということです。「働く」の中でも、かなり上等な仕事です。
ネクサスリンクでも、利用者さんに現場の意見を出してもらい、それをもとに改善することはよくあります。商品写真の背景を工夫する案を利用者さんが出し、職員が採用したこともあります。売り場の見せ方を試してもよいか、職員に相談した利用者さんもいます。
積み重なると、大きいです
1つの改善は、小さいです。10秒速くなるだけ、ミスが1種類消えるだけ。
でも、改善は消えません。一度仕組みにしたものは、明日も明後日も効き続けます。それが週に1つ積み上がると、1年で50個です。
6割の記事で「続けると、3割の力で同じものが作れるようになる」と書きました。あの正体が、これです。力がついたというより、無駄が50個消えているのです。
ちなみに、日本の工場で生まれた「カイゼン」という言葉は、いまでは世界中の職場でそのまま通じます。毎日の小さな改善の積み重ねが、世界一の品質を作ったからです。やっていることは、同じ形です。
やり方は、3段です
| 段 | やること |
|---|---|
| 1 | 「ちょっとやりにくいな」を1つ見つける(今日やること。直さなくていい) |
| 2 | 「なぜ、これが起こるんだろう?」を1回考えてみる |
| 3 | 「こうしたほうが早いと思うんですが」と職員さんに出してみる |
1段目だけで十分です。見つけた時点で、あなたの「いつも」の物差しが働いた証拠です。
そして、何も見つからない日は、淡々とやるだけで十分です。改善は毎日するものではありません。続けることのほうが、いつでも先です。
いきなりできなくて大丈夫です
最初の工夫は、たぶん空振りします。変えてみたけど、大して変わらなかった。それで普通です。「変えて、見て、決める」を回したこと自体が、もう練習になっています。
1か月くらい経ったら、1か月前の自分を思い出してみてください。
| 1か月前 | 言われた手順を、そのままやっていた |
| いま | 「なぜだろう」と考えて、1つ変えてみたことがある |
比べる相手は、周りではなく1か月前の自分です。ただし、調子が落ちている時期は比べないでください。必ず悪く見えます。
まとめ
- 淡々と続けることは、それだけで価値です。改善は、その上に乗ります
- 「いつもと違う」が分かるのは、続けている人だけ。その違和感が改善の種です
- 出発点は「なぜ、これが起こるんだろう?」。根性の話を、仕組みの話に変えます
- 変えるのは一度に1つ。変えて、見て、決める。効かなければ戻していいです
- 手順を変えるときは「こうしたほうが早いと思うんですが」と共有。良い工夫はみんなの手順になります
札幌市東区の就労継続支援A型事業所ネクサスリンクでは、利用者さんの「こうしたほうがいいのでは」を歓迎しています。現場の違和感は、いちばん貴重な情報です。
最後に
今日は、いつもの作業の中で「ちょっとやりにくいな」を1つ見つけるだけにしてください。
直さなくていいです。気づけた時点で、改善はもう始まっています。
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札幌市東区の就労継続支援A型事業所ネクサスリンク
































