📍 はたらく階段|STEP 2
この記事は、札幌市東区の就労継続支援A型事業所ネクサスリンクが、A型事業所から就職までに身につけたいことをまとめたシリーズの1本です。順番や、いま自分がどの段にいるかはシリーズの目次と読み方をご覧ください。
報連相は、3つ別のものです。報告は起きたこと、連絡は決まっていること、相談は迷っていること。渡すものが違います。
そして、出す場所は2つあります。その場で言うものと、1日の最後に日報で出すものです。
先に3行だけ書いておきます。
- その場で言うのは、1行で足ります。理由も言い訳も要りません。
- 日報は3項目だけ。慣れれば10分で終わります。
- どちらも練習です。内容が薄くても、何の問題もありません。
前の職場で報告して怒られた経験がある方は、その話の章から読んでもらっても構いません。
報告・連絡・相談は、別のものです
まとめて「報連相」と呼ばれますが、中身は3つ別のものです。渡すものと、相手に求めることが違います。
| 渡すもの | 相手に求めること | 返事 | |
|---|---|---|---|
| 報告 | 起きた事実 | 知ってほしい/対応してほしい | 要ることもある |
| 連絡 | もう決まっている事実 | 知っておいてほしいだけ | 要らない |
| 相談 | まだ決まっていない迷い | 一緒に考えてほしい | 要る |
先に言っておくと、どれに当てはまるかを分類しなくて大丈夫です。迷ったら全部「報告」の形で出してください。分けるのはこちらの仕事です。
連絡 ── 返事を待たなくていいもの
もう決まっていることを伝えるだけです。判断を求めていないので、送ったら終わりでいいです。返事が来なくても、届いていないわけではありません。
出し方は、2つだけ覚えておけば足ります。
- チーム全体に伝えなければいけないこと → チャットワークやSlackなどのメッセージツールで配信すればOKです
- 緊急性が高くて、すぐに職員さんの指示を仰がなければいけないとき → 職員さんに直接話してください
連絡でいちばん忘れやすいのは、引き継ぎです。「ここまでやってあります」が抜けると、次の人が二重にやるか、そこを飛ばします。途中で終わった作業は、途中だと伝えるところまでが1セットです。
相談 ── 答えを持っていかなくていいもの
報告は事実を渡します。相談は、迷いをそのまま渡します。だから、答えを用意していかなくて大丈夫です。「どっちがいいか分かりません」で成立します。
そして、相談する相手は決まっています。ここを知っておくと、だいぶ楽になります。
| 内容 | 相談する相手 |
|---|---|
| 仕事に関すること (やり方、進め方、作業の割り振り) | 職業指導員 |
| 体調面・心理的なこと (つらい、続けられるか、人との関係) | サービス管理責任者(サビ管)/生活支援員 |
「誰に言えばいいか分からない」で止まっている時間が、これでなくなります。
そして、間違えても問題ありません。職業指導員に体調のことを話しても、サビ管につないでもらえます。入口はどこでも大丈夫です。そこで悩まないでください。
まず、その場で言うこと

仕事をしていると、その場で伝えたほうがいいことが出てきます。あとでまとめて、では間に合わないものです。次の3つです。
- 手が止まって、次に進めないとき
- 期限に間に合わなそうなとき
- 間違えたことに気づいたとき
この3つは、気づいた時点で言ってください。逆に、それ以外は逐一言わなくて大丈夫です。1日の最後にまとめて出せば足ります。
とはいえ、「これは今すぐか、あとでいいか」を毎回判断しなくて大丈夫です。迷ったら、その日のうちに言っておけば間違いありません。早く出して怒られることはありません。
言い方は、これで足ります
◯◯のところで止まっています。
◯◯が、今日中に終わらなそうです。
すみません、ミスをしました。◯◯の作業で、△△になっています。
「どうしましょう」まで考えなくて大丈夫です。事実を渡せば、そこから先は職員さんが引き取ります。ミスの扱いについては、責任を取るって、罰を受けることじゃないのほうに詳しく書いています。
伝える手段は、何でも構いません
業務によって使うツールが違います。Slack、Chatwork、Discord。そのときの仕事で使っているもので構いません。そして、口頭でも大丈夫です。
形式は問いません。文字を打つのがしんどい日は口頭で、話しかけるのがしんどい日はメッセージで。日によって変えても構いませんし、理由を説明する必要もありません。
前の職場で、報告して怒られた方へ
報告したら「なんでもっと早く言わないんだ」と怒られた。それ以来、報告ができなくなった。この形で辞めた方は、本当に多いです。
そして、正直に書きます。この記事も「早いほうがいい」と言っています。言っていることは、あの人と同じです。そこはごまかしません。
違うのは、ここです。
遅れて出したことを、責めません。
「なんでもっと早く」と言われるのは、出したあとに責められているということです。それをやられると、次から出せなくなります。当たり前です。
だから、遅くても、出したことのほうを扱います。「昨日のことなんですが」で構いません。1週間前のことでも構いません。
ひとつだけ、正直に書いておきます。「絶対に嫌な顔をされない」とまでは言えません。人がやっていることなので、忙しい日はそっけないこともあります。
ただ、報告したことで不利な扱いをすることはありません。そこは決めています。失敗をとがめることもありません。失敗を、次にどう改善するかのほうが大事だと思っています。
それでも怖いなら、最初は日報の文字だけで構いません。顔を合わせて言わなくていいです。文字1行から始めてください。
それでも言えないときのこと
「こんなことで報告していいのか」と迷う
この判断は、しなくて大丈夫です。迷ったら、出してください。
報告が多すぎて困ることは、まずありません。要るか要らないかは、読む側が決めます。選別はこちらの仕事です。
完璧にしてから報告したい
ちゃんとした形で出したいから、まとまるまで言わない。そして、まとまらないまま日が過ぎます。
途中で構いません。「まだ途中ですが」で始めて大丈夫です。途中経過のほうが、じつは価値があります。終わってからだと、もう直せないからです。
聞くのが早すぎる方へ ── まず自分でやってみる
この節は、聞くのが早すぎる方に向けた話です。逆に「そもそも聞けない」ほうで困っている方は、ここは読み飛ばしてください。迷ったら、違和感を待たずに聞いていいです。そちらのほうが大事です。
そのうえで。分からないことを何でもすぐ聞いていると、覚える機会が減ります。まず、自分でやってみてください。そして、やってみて違和感を感じたところで、聞いてください。そこがちょうどいいタイミングです。
この順番にすると、聞き方が変わります。そして、聞くときはこの言い方で足ります。
ここまでやったんですが、ここで止まりました。合っていますか。
どこで詰まっているかが伝わるので、そこだけ教えてもらえます。「これ、どうやるんですか」だと、最初から全部説明されて、また覚えきれません。
やってみた時間が無駄になるのが心配なら、先にこう言っておいてください。
まず自分でやってみます。おかしかったら止めてください。
これを1回言っておくと、大きく外れる前に止めてもらえます。勝手にやったことにもなりません。
1日の最後に、日報を出します

ネクサスリンクでは、1日の最後にチャットワークで日報を出してもらっています。
日報は、「勤務時間」「業務内容」「所感(体調)」の形で書くことが多いです。
▼本日の勤務開始時間・勤務終了時間
9:30〜15:00
▼業務内容・本日行ったこと
出品 8件
梱包 12件
ヤフオク返信 3件
▼所感・感想・体調面
午後は少し疲れましたが、体調は普通です。
業務内容と所感の欄は、次の①②③の形で書くと、何をどこまで進めたかが伝わりやすくなります。①と②は業務内容の欄に、③は所感の欄に書きます。
①【今日の目標と達成状況】
その日の目標と、実際どうだったかを数字で書きます。職員さんから目標を聞いていなければ、自分の中で決めた目標で構いません。
出品 8件/10件
梱包 12件/12件
ヤフオク返信 3件/5件
これだけです。出品した場合は、従来どおり実際のURLを貼ってもらえればOKです。
ここに書く目標は、毎日コツコツ続ける話で書いた「1日の量」がそのまま入ります。職員さんに「自分は1日どのくらいやればいいですか」と確認した数字があれば、それを左側に書くだけです。毎日ゼロから考えなくて済みます。
②【できた理由・できなかった理由】
- 達成できなかったとき:その理由を書きます。改善案が浮かんでいれば、それも書いておくといいです
- 達成できたとき:「こういうことがあって達成できた」を書きます
できたときも書くのが大事です。うまくいった理由が分かっていると、次も同じようにできます。できなかった理由だけ集めても、片方しか分かりません。
出品 8件/10件
→ 商品説明のテンプレートを作ったので、後半は速くなりました。あと2件は写真待ちで止まりました。
ヤフオク返信 3件/5件
→ 返信の文面に迷って時間がかかりました。次はよくある質問の答えを用意しておきます。
改善案は、浮かばなければ書かなくて大丈夫です。理由だけでも足ります。
③【所感】
簡単な感想です。具体的に書けるなら、そのほうがいいです。とくに書いてほしいのは、こういうところです。
- 良かったこと、うまくいったこと
- 他の人の協力のおかげでできたこと
- 周りとの連携があったこと
梱包で手が足りなくなったとき、◯◯さんに手伝ってもらえて助かりました。
まずは何でもいいので書いてみてください。「疲れました」でも構いません。
コピペで大丈夫です
①と②は業務内容の欄に、③は所感の欄に、それぞれコピペして使ってください。
①【今日の目標と達成状況】
②【できた理由・できなかった理由】
③【所感】
勤務時間や体調のことなど、いつも書いていることはそのまま書いてください。まったく別のものを書いて、2倍の時間をかける必要はまったくありません。コピペで大丈夫です。
この日報を書く目的は、2つです
- 自分が過去にどんなことを報告していたか、振り返れるようにするため
- 実際の仕事で使える書き方の練習
つまり、練習です。評価のために出してもらっているのではありません。
1日分では、ほとんど何も見えません。ただ、1か月分たまると、自分の変化が見えるようになります。目標の数字が上がっていたり、同じ理由で止まる回数が減っていたり。コツコツ続けることが効いてくるのは、こういうところです。
だから、こう思っておいてください。
- 内容が薄くても、何の問題もありません
- 書けなくても大丈夫です
- 失敗しても、とがめることはありません
練習だと思って、気楽に取り組んでください。失敗を、次にどう改善するかのほうが大事です。そして成功は、みんなで喜びましょう。
目安は、終業前の10分
終業前の10分くらいで書ききれるようになるのが目標です。
最初は時間がかかると思います。それで構いません。慣れると、10分で終わります。形が決まっているので、埋めるだけになるからです。
10分を超えてしまう日は、①だけでも出してください。数字だけ並べて終わりにしていいです。②と③は、書ける日に書けば足ります。
「できませんでした」が書けないとき

②で手が止まる方が多いと思います。最後の7文字がいちばん重いのは、よく分かります。
言い換えて構いません。数字が「8件/10件」と書いてあれば、届かなかったことは伝わっています。言葉は何でも同じです。
- 「そこで止まりました」
- 「明日に回します」
- 「写真待ちです」
それから、最初は「自分のせいじゃないもの」から書いて構いません。「ファイルがなかった」「やり方が分からなかった」「写真がまだ来ていなかった」。そこからで足ります。
体調で止まったこと、量が足りなかったこと。こういうものは、書けるようになってからで大丈夫です。順番があります。
書いたら、どう返ってくるか
出したあとに何が起きるか分からないと、出せません。だから、そこも書いておきます。
- 「あのファイル、◯◯の場所にあります」── 物理的に解決する
- 「そこは自分もよく分からないので、一緒に見ましょう」── 一緒にやる
- 「8件で大丈夫です。そこは気にしないでください」── そもそも問題ではなかった
- 「じゃあ手順を変えましょう」── やり方のほうを直す
3つめが、意外と多いです。自分が失敗だと思っていたことが、そもそも問題ではなかったというパターンです。書いてみて初めて分かります。
返事がなかった日は、次の日に「あれ、どうしましょう」と聞いてかまいません。催促ではありません。
就職したあとは、どうなるか
ここも正直に書きます。次の職場が、同じように扱ってくれる保証はありません。「なんでもっと早く」と言う人がいる職場も、実際にあります。そこは、うちが約束できることではありません。
ただ、この練習をしておくと、使えるものが2つ手に入ります。
1つは、書き方そのものです。目標と実績を数字で並べ、理由を添え、所感を1行。この形は、どこの職場でも通ります。日報がなくても、面談や週報でそのまま使えます。
もう1つは、これです。その職場が、報告して大丈夫な場所かどうかを、見分けられるようになります。
報告して責められる職場は、たいてい長く続きません。あなたが悪いのではなく、その職場の作りの問題です。そこは、辞めていい判断材料になります。
やり方は、4段です
| 段 | やること |
|---|---|
| 1 | 日報の①だけ書く(数字を並べるだけ。今日やること) |
| 2 | ②の理由を1行足す。「自分のせいじゃないもの」からで構いません |
| 3 | 手が止まったときは、その日のうちに言う |
| 4 | ③の所感を書く。人に助けられたことも書けるようになる |
1段目だけでも十分に意味があります。数字が並んでいるだけで、あとから振り返る材料になります。
なお、報告しようとすると体が固まる、書こうとすると頭が真っ白になるという状態が続いているなら、それは工夫の範囲を超えているかもしれません。次の診察のときで構わないので、主治医の先生にも話してみてください。
まとめ
- その場で言うのは1行。「◯◯のところで止まっています」で足ります
- 連絡は返事を待たなくていい。全体への共有はメッセージツール、緊急なら直接
- 相談は答えを持っていかなくていい。仕事は職業指導員、体調はサビ管・生活支援員
- 日報は3項目、コピペで大丈夫。薄くても、書けなくても問題ありません
札幌市東区の就労継続支援A型事業所ネクサスリンクでは、1日の最後に日報を出してもらっています。できなかったことを次の工夫につなげる練習を、実際の仕事の中でやっています。
最後に
今日の日報は、この形をコピペして、①の数字だけ埋めてみてください。
①【今日の目標と達成状況】
②【できた理由・できなかった理由】
③【所感】
②と③は空欄でも構いません。それでも、明日の材料が1つ残ります。
見学・体験のお問い合わせ


見学だけ、話を聞くだけでも構いません。
日程が決まっていなくても、お申し込みいただけます(下の日付は空欄のままで送れます)。
体験の日は、日替わりランチ(ふだんは200円)を無料で召し上がっていただけます。
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