📍 はたらく階段|STEP 3
この記事は、札幌市東区の就労継続支援A型事業所ネクサスリンクが、A型事業所から就職までに身につけたいことをまとめたシリーズの1本です。順番や、いま自分がどの段にいるかはシリーズの目次と読み方をご覧ください。全部読まなくて大丈夫です。
先に3行だけ書いておきます。
- ここからは、期限と目標を自分で切る練習です。決めてもらう側から、決める側へ
- コツは1つ。フルで頑張って、ギリギリ届くかどうかのラインに置くことです
- 今日やることは、いつもの作業1つに「◯時まで」と自分の期限を切るだけです
ここまでは、「決めてもらう側」でした

STEP 2 で、1日の目標と1か月の目標を決める話を書きました。あのときは、職員さんと確認して決める形でした。それで正解です。
ここからは、一段上げます。期限と目標を、自分で切る練習です。
理由ははっきりしています。就職すると、期限は「あるのが当たり前」になるからです。そして、目標を自分で立てる場面が増えます。そのとき初めてやるより、ここで練習しておいたほうが、圧倒的に楽です。
先に断っておきますが、これはノルマではありません。届かなくてもペナルティはありません。そこはSTEP 2 で書いたとおりです。あくまで、就職に向けた「仕事に対する考え方の指標」であり、勉強です。
期限がないと、作業はだらだら膨らみます
なぜ自分で期限を切るのか。切らないと、作業が膨らむからです。
不思議なもので、作業というのは与えられた時間いっぱいまで膨らみます。「今日中でいいや」と思って始めた作業は、たいてい夕方までかかります。同じ作業を「15時まで」と決めて始めると、15時ごろに終わります。
だらだら進めて、1日の終わりに「結局、結果が出ませんでした」となる。これがいちばんもったいない働き方です。頑張っていないわけではないのに、成果が残りません。
対策は、根性ではありません。終わりの時刻を、先に決める。それだけで、集中は勝手に生まれます。
| 「今日中にやろう」 | → 夕方まで膨らむ |
| 「15時までにやろう」 | → 15時ごろに終わる |
目標は「ギリギリ届くかどうか」に置きます
ここが、この記事でいちばん大事なところです。
自分で目標を置くとき、高さのコツが1つだけあります。
フルで頑張って、ギリギリ達成できるか、できないか。
そのラインに置く。
| 目標の高さ | 何が起きるか |
|---|---|
| 簡単に届く | 流して終わる。達成しても、何も変わっていません |
| ギリギリ届くかどうか | 気持ちが入ります。集中が出て、力が伸びます |
| どうやっても届かない | 最初からあきらめて、手が動きません |
簡単に達成できてしまう目標は、意味がありません。達成した気分にはなれますが、昨日の自分と同じことをしただけです。
逆に、簡単には達成できないラインに置くと、気持ちも頑張れます。「あと2件で届く」と思うと、手の速さが変わります。ゲームと同じで、クリアできるかできないか、くらいが一番熱中できます。
実際にはこんな形です。
| いつもの自分 | ギリギリのライン |
|---|---|
| 1日10件ペース | 「今日は11件」 |
| 1件30分かかる | 「この1件は25分で」 |
| 夕方までかかる作業 | 「15時までに終わらせる」 |
基準は、いつも「昨日の自分より、少しだけ上」です。比べる相手は過去の自分。ここでも同じです。
職員さんと決めた量の、内側でやります
1つだけ、線を引いておきます。
その日の作業量そのものは、これまでどおり職員さんと決めます。自分で切る期限と目標は、その内側に置く「自分の挑戦ライン」です。
- 決めた量を、より短い時間で終わらせる ── これは自由です
- 余った時間で1件多くやってみる ── これも自由です
- 休憩を削る、時間外までやる、体調を削る ── これは挑戦ではありません。やらないでください
ギリギリを攻めるのは、時間の中身だけです。船が見える範囲の話と同じで、生活と体調は賭けません。
届かない日が半分あるのが、正しい高さです

「ギリギリ届くかどうか」に置くということは、届かない日が普通にあるということです。
むしろ、こう考えてください。
- 毎回届く → ラインが低すぎます。少し上げましょう
- 半分くらい届く → ちょうどいい高さです
- まったく届かない → 高すぎます。下げて構いません
届かなかった日は、「どうやったらできるかな」を1つ考えて、翌日のラインを調整する。この調整そのものが、いちばんの練習です。
そして、体調が落ちている時期は、この練習ごと休んで構いません。ギリギリを攻めるのは、調子が普通以上の日の道具です。しんどい日は、STEP 2 のやり方(職員さんと決めた分だけ)に戻ってください。それは後退ではありません。
やり方は、3段です
| 段 | やること |
|---|---|
| 1 | いつもの作業1つに、「◯時まで」と自分の期限を切る(今日やること) |
| 2 | 目標を「昨日の自分より少しだけ上」に置いてみる |
| 3 | 結果を見て、翌日のラインを自分で調整する |
1段目だけで十分です。「この1件、25分でやってみよう」。声に出さなくていいので、1回だけ切ってみてください。
いきなりできなくて大丈夫です
最初は、ラインの高さがうまく決められません。低すぎたり、高すぎたり。それが普通です。何回か外しながら、自分のちょうどいい高さが分かってきます。
1か月くらい経ったら、1か月前の自分を思い出してみてください。
| 1か月前 | 決めてもらった分を、やっていた |
| いま | 自分でラインを決めて、働いている |
これは、面接で「目標を立てて働けますか」と聞かれたときに、「はい」と根拠を持って言えるということでもあります。
まとめ
- ここからは、期限と目標を自分で切る練習です。就職すると、期限はあるのが当たり前になります
- 終わりの時刻を先に決めると、だらだらが消えます。作業は与えられた時間まで膨らむからです
- 目標は「フルで頑張ってギリギリ届くかどうか」に置く。簡単に届く目標は、意味がありません
- 職員さんと決めた量の内側でやります。休憩や体調を削るのは、挑戦ではありません
- 届かない日が半分あるのが、正しい高さです。ペナルティはありません。調整が練習です
札幌市東区の就労継続支援A型事業所ネクサスリンクでは、自分でラインを決めて働く練習を、職員と一緒に進められます。高さに迷ったら、いつでも相談してください。
最後に
今日、いつもの作業を1つ選んで、こう決めてみてください。
「これ、◯時までに終わらせる」
ギリギリ届くかどうか、のところに置くのを忘れずに。そこが、いちばん力が伸びる場所です。
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