「Webデザインの仕事で、いちばん地味だけど大事な工程は何ですか」。そう聞いたら、上田さんの答えはこの2つでした。
毎日来ること。チャットで、リアクションをすること。
答えてくれたのは、札幌市東区の就労継続支援A型事業所ネクサスリンクで職業指導員をしている上田さんです。サイト作成とデザイン全般、VR編集、LINE公式などを担当しています(職員の紹介は会社概要に載っています)。
センスに自信がない。パソコンが得意じゃない。作ったものを直されるのがこわい。そこで足が止まっている人に向けて、上田さんがどう教えているのかをインタビューしました。
- 札幌のA型事業所ネクサスリンクで、いちばん大事な工程はデザインではありませんでした
- 飲食店や福祉のホームページとチラシを、ネクサスリンクで作っています
- パソコンが苦手でも、ネクサスリンクのデザインの仕事はここから
- ネクサスリンクのWebデザインは、センスより「なぜこうしたか」を言えること
- 「思ったように作れない」と言われたら、ネクサスリンクの職員がまず聞くこと
- デザインに正解はないから、ネクサスリンクでも直しが入るのは当たり前です
- 上田さんも最初は分からないことだらけ。いまはネクサスリンクで教える側です
- 「アーティストになりたいの? それともデザイナーになりたいの?」ネクサスリンクで伸びた人が言われた一言
- 新しいことに挑戦するのは勇気がいるけど、とネクサスリンクの上田さんは言います
- 見学・体験のお問い合わせ
札幌のA型事業所ネクサスリンクで、いちばん大事な工程はデザインではありませんでした

――地味だけど大事な工程を、ひとつ挙げるとしたら何ですか。
うーん、毎日出社することと、リアクションをすることですかね。うちは、やり取りがチャットメインなので。
――えっ、デザインの話じゃないんですね。配色とかレイアウトとか、そういう答えを待っていました。リアクションって、どのくらいきちんとすればいいんですか。ちゃんとした文章で返さないとだめ、とか。
いや、スタンプ1つでいいですよ。
――スタンプ1つ。それなら、朝のぼんやりした頭でも押せますね。じゃあ、言われたことが分からなかったときは?
そのときは「分かりません」でいいんです。
――……それ、いちばん勇気がいるやつです。言えずに固まってしまう人、多いと思います。どうして、そこまでリアクションを大事にしているんですか。
意思表示をしてほしいんですよね。
――ああ、そういうことだったんですね。黙っていたら、読んだのか、手が止まっているのか、こっちからは見えないですもんね。
「分かりません」を打てるかどうかで迷う人は、仕事で質問できない人へ ── 分からないまま進めないことだけが大事も読んでみてください。
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札幌市東区の就労継続支援A型事業所ネクサスリンク(地下鉄東豊線「東区役所前駅」直結・徒歩1分)
飲食店や福祉のホームページとチラシを、ネクサスリンクで作っています

――ふだんは、どんなものを作っているんですか。
飲食店とか福祉関係の、ホームページやチラシが多いですね。
――1つ作るときは、どんな順番で進むんですか。
作るものの規模にもよるんですけど、だいたいヒアリングをして、ワイヤーフレームを作って、デザインを作って、コーディングして、リリース、という順番ですね。
――5つも工程があるんですね。ここで働く人は、そのどこを担当するんでしょう。
主にやってもらうのは、デザイン作成からコーディングのところですね。
――真ん中の、手を動かすところですね。使っているソフトは?
Visual Studio CodeとWordPressですね。デザインだと、Adobeのソフトがメインです。
――上田さんはVRやLINE公式も担当されていますよね。そっちの仕事にも、ここで働く人が関われるんですか。難しそうですけど。
ああ、難しくないので大丈夫ですよ。
――最近作って、楽しかったものはありますか。
最近だと、ARでキャラクターを表示させたりとか、ですね。
デザインとコーディングの仕事そのものは、札幌のA型事業所ネクサスリンクで学ぶWebデザインの仕事にまとめています。名刺やチラシなど紙もののデザインは札幌のA型事業所でデザインの仕事って?で紹介しています。
パソコンが苦手でも、ネクサスリンクのデザインの仕事はここから

――パソコンが得意じゃないと、難しいですか。
文字入力ができれば、大丈夫だと思いますよ。
――文字入力だけ。思っていたより、ずっとハードルが低いです。では、未経験の人がいちばん最初にやるのは?
最初は、今あるチラシの文字や写真を差し替えたり、見本をまねして同じものを作る「模写」をしたり。あとは、WordPressでホームページの文章を更新する作業ですね。
――もうあるものを触るところからなんですね。3か月たつと、どこまでできるようになりますか。
それは、人によってかなり違いますね。
――「みんな3か月でここまで」とは言わないんですね。そのほうが、かえって安心します。
ネクサスリンクのWebデザインは、センスより「なぜこうしたか」を言えること

――「センスがないから無理です」と言う人もいると思うんです。そういうとき、何と返しますか。
「意図を説明できるようにしよう」って伝えています。
――意図、ですか。もう少し具体的に聞いてもいいですか。たとえばチラシの色なら、どう説明できればいいんでしょう。
たとえば、「飲食店のチラシなので、食品メーカーのロゴに赤が多いことからヒントを得て、おいしそうに見えるように赤系の色にしました」。こんなふうに言えたらOKです。
――あっ、そういうことか。理由があって選んだ色なんですね。私、デザインって「ひらめく人」の仕事だと思っていました。これなら、スーパーの棚を眺めるところからでも始められそうです。
「思ったように作れない」と言われたら、ネクサスリンクの職員がまず聞くこと

――作っている途中で「思ったように作れない」と言われたら、どうしますか。
まず、技術的に作れないのか、それとも思っていることを形にできないのか、を聞いてみますね。
――まず、そこを分けるんですね。教えるとき、いちばん気をつけていることは何ですか。
正解を直接教えるよりも、正解に導いてあげること、ですかね。
――得意な人とこれからの人とで、任せ方は変えていますか。
変えてます。得意な方には、進捗と成果物を確認するくらい。これからの人には、確認や声がけを多めにしています。
デザインに正解はないから、ネクサスリンクでも直しが入るのは当たり前です

――最初からうまく作れる人って、いるんですか。
中にはいると思いますけど、大半の方は難しいと思いますよ。
――大半の人は、最初はうまくいかない。でも、直しが何度も入ったら、さすがにへこみませんか。
クリエイティブな仕事って正解がないので、修正が入るのは当然だと思ってます。
――「当然」なんですね。そう聞くと、少し気が楽です。でも、正解がひとつじゃないのは、それはそれで難しくないですか。
難しいとは思います。でも、そこがやりがいにつながるところでもあるよ、って伝えています。
完璧に仕上げる前に途中で見せて、早めに直してもらう進め方は仕事の完成度は自分の中の6割でOKで、うまくいかなかったときの受け止め方は失敗は貴重な体験で書いています。
上田さんも最初は分からないことだらけ。いまはネクサスリンクで教える側です

――そもそも上田さんは、どうしてWebやデザインの仕事を始めたんですか。
カッコイイと思ったから、ですね。
――入口は、それくらいでいいのかもしれませんね。始めたころは、どうでしたか。
分からないことばっかりでしたよ。だから、ネットで調べてました。
――教える側の人も、最初は検索しながらだったんですね。うまくいかない時期が続いたら、どうしていますか。
いったん別のことを考えたり、やったりしますね。
――職場で、質問しやすい雰囲気をつくるためにしていることはありますか。
ふだんから、何気ない会話をするようにしています。
――仕事の話しかしない相手には、「分かりません」もなかなか言えないですもんね。不安になったとき、誰に相談すればいいですか。
技術のことなら職業指導員に。それ以外のことは、サービス管理責任者や生活支援員に相談できますよ。
動画を教えている職業指導員の話は動画を教える職員も、B型事業所から始まりました 職員小川さんの話で読めます。
「アーティストになりたいの? それともデザイナーになりたいの?」ネクサスリンクで伸びた人が言われた一言

――「この人、伸びたな」と感じたのは、どんな場面でしたか。
他人の意見を、素直に受け入れられていたときですね。
――その人は、最初からそうだったんですか。
いえ、最初は、直しが入ると「それはもう自分の作品じゃない」と思う方でした。
――その気持ち、分かる気がします。自分で考えて作ったものほど、手を入れられたくないですよね。何かきっかけがあったんでしょうか。
あるとき、先方から修正依頼が来たんです。そのときに、「アーティストになりたいの? それともデザイナーになりたいの?」って声をかけました。
――……それは、ドキッとします。自分のための作品なのか、相手のための仕事なのか、と聞かれた気がして。そのあと、その人はどうなりましたか。
それからは、デザインに他人の意見を素直に受け入れるようになりましたね。
人のアドバイスがすっと入ってこないときのことは、アドバイスが素直に聞けないとき ── 一度やってから判断していいに書いています。
新しいことに挑戦するのは勇気がいるけど、とネクサスリンクの上田さんは言います

――どんな人に来てほしいですか。
分からないことが分かったときに、「面白いな」って思える人ですかね。
――それなら、いまパソコンが苦手な人のほうが、「分かった」に出会う回数は多いかもしれませんね。見学に来た人には、まず何を見てほしいですか。
オフィスの雰囲気、ですね。
――作ったものより先に、雰囲気。ちょっと意外でした。1年後、ここで働く人にどうなっていてほしいですか。
1年前の自分よりも、成長していてほしいですね。
――1年前の自分と比べるんですね。「この人はもう外でもやれる」と思うのは、どんなときですか。
コミュニケーションが取れて、最後までやり遂げられること、ですね。
――それは入るときの条件じゃなくて、働きながら目指していくところですね。最初のコミュニケーションなら、スタンプ1つから始められます。「自分にできるかな」と迷っている人に、ひとことお願いします。
まずは、やってみてから決めてみてもいいと思いますよ。
――最後に、この記事を読んでいる人へ。
誰でも、新しい事に挑戦するのは勇気がいるけど、きっと、新しい世界が待っていると思うよ。
比べる相手を過去の自分にする考え方は仕事で人と比べてしまうあなたへ ── 比べる相手は1か月前の自分にも書いています。見学で何を見ればいいかはA型事業所の見学で確認すべきことに、見学・体験・面接の順番は見学・体験・面接はどう違う?にまとめています。見学のあとで手を動かしてみたくなったら、1〜1.5時間の体験利用もあります。
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札幌市東区の就労継続支援A型事業所ネクサスリンク
































