📍 はたらく階段|STEP 4
この記事は、札幌市東区の就労継続支援A型事業所ネクサスリンクが、A型事業所から就職までに身につけたいことをまとめたシリーズの1本です。順番や、いま自分がどの段にいるかはシリーズの目次と読み方をご覧ください。全部読まなくて大丈夫です。
先に3行だけ書いておきます。
- 管理の仕事は、放っておくと勝手に増えます。これを「非生産部門の自己増殖」と言います
- 怖いのは、管理すること自体が自分の仕事だと勘違いしてしまうことです
- だから、全員が集客に目を向けます。「全員が営業しろ」という意味ではありません
まず、道具が要ります
仕事をするには、道具が要ります。
パソコン、ノート、ペン。この段階では、まだ当たり前の話です。誰も、何もおかしいと思いません。
問題は、ここから先です。
そこから、こうなっていきます
会社でよく起きることを、順番に並べてみます。
| 段 | 起きること |
|---|---|
| 1 | 仕事をするために、パソコンやノートが要る(当たり前) |
| 2 | その仕事が、ちゃんと進んでいるかを管理する必要が出てくる |
| 3 | 管理のために、表を作る。システムを入れる |
| 4 | その表やシステムを回すための人が要る |
| 5 | その人の仕事が、ちゃんと進んでいるかを管理する必要が出てくる |
| 6 | 2に戻って、また増える |
お気づきでしょうか。5から2へ、輪がつながっています。
誰も悪いことをしていません。1つひとつは、どれも「必要だから」やっています。それなのに、放っておくと勝手に増えていきます。
これを、「非生産部門の自己増殖」と言います。ここでいう非生産部門とは、直接お金を生んでいない仕事のことです。
そして、管理の仕事に追われて忙しくなり、本来やるべき仕事の時間が取れなくなっていきます。
いちばん怖いのは、ここです
忙しい日が続くと、こう思うようになります。
「この管理をすることが、自分の仕事だ」
毎日忙しいので、働いている実感もあります。表もきれいに埋まっています。でも、そこからは1円も生まれていないということが、世の中ではザラに起きます。
気がついたら、何も価値を生み出していないのに「仕事をして給料をもらっている」と思い込んでいる。これがいちばん怖い状態です。
そうならないように、意識しておきましょう。
管理が悪い、という話ではありません
ここで誤解しないでください。
管理そのものは、必要です。誰が何をやっているか分からない会社は、すぐに立ち行かなくなります。いま管理の作業をしている方も、要らない仕事をしているわけではありません。
問題なのは、「管理のための管理」です。
| 必要な管理 | 増えすぎた管理 |
|---|---|
| それを見て、次の動きが変わる | 埋めるだけで、誰も見ていない |
| ミスや遅れが早く見つかる | 報告のための報告になっている |
| 作業が速くなる | 作業が遅くなっている |
見分け方はかんたんです。「これをやめたら、誰か困りますか」と考えてみてください。誰も困らないなら、それは増えすぎた側です。
本来は、全員が集客に関わります
前の記事で、給料は売上から出ていると書きました。ということは、売上を作ることに、全員が関わるのが本来の形です。
ただし、これは「全員が営業に出ろ」という意味ではありません。
集客のやり方は、ほかにもあります。すべての行動は、集客につながるという記事で書いたとおりです。
直接ものを売っていなくても、管理の仕事をしている人が集客に意識を向けて、お客様が集まってくる仕組みを作る。本来は、こういうことに全員が目を向ける必要があります。
これも、立派な営業活動です
たとえば、こういうことです。
- 身内の人に「うちの商品、おすすめだから一度使ってみて」と紹介する
- 知り合いにホームページを作りたい人がいたら「うちの事業所で、良いものが作れますよ」と伝える
- 自分が働いている飲食店に、友人や家族を「良かったら食べに来てね」と誘う
- 単なる管理表ではなく、作業が何パーセント速くなるための仕組みに作りかえる
- (事業所の場合)ホームページやSNSにチャレンジする
どれも、立派な営業活動です。
4つめは、管理の仕事をしている方にこそ効きます。同じ表を作るなら、埋めるための表ではなく、数字が上がる表にする。それだけで、非生産だった仕事が売上に関わる仕事に変わります。
なお、身内や友人に声をかけるのはできる範囲で構いません。ノルマではありませんし、無理に売り込む必要もありません。断られても、何も減りません。
売り込むことだけが、仕事ではありません
一生懸命に何かを売り込むことだけが、仕事ではありません。
やり方を工夫して、お客様を集めて、売上を上げて、利益を作る。それが結果として、あなたの給料が支払われることにつながります。
この意識を、全員で持っていきましょう。
やり方は、3段です
| 段 | やること |
|---|---|
| 1 | いまやっている作業を1つ選んで、「これは何につながっているか」を考えてみる(今日やること) |
| 2 | つながりが見えなかったら、職員さんに「これは何のためですか」と聞いてみる |
| 3 | 「こうしたら速くなりませんか」と、1つ提案してみる |
1段目だけで十分です。考えてみるだけなら、誰の許可も要りません。
2段目は、責める聞き方にならないように気をつけてください。言い方ひとつで、相手も一緒に考えてくれるようになります。
いきなりできなくて大丈夫です
「自分の作業が売上につながっているかなんて、分かるわけがない」と思うかもしれません。最初は、それで普通です。
言われた作業をこなすだけで精一杯の時期もあります。それでいいです。まずは、頭の片隅に置いておくだけで十分です。
| 1か月前 | 言われた作業を、言われたとおりにやっていた |
| いま | 「これは何につながっているんだろう」と考えるようになった |
比べる相手は、周りではなく1か月前の自分です。
まとめ
- 管理の仕事は、放っておくと勝手に増えます。誰も悪くないのに増えます
- いちばん怖いのは、管理すること自体が仕事だと思い込むことです
- ただし、管理そのものが悪いのではありません。「やめたら誰か困るか」で見分けます
- 本来は、全員が集客に目を向けます。全員が営業に出ろ、という意味ではありません
- 埋めるための表ではなく、数字が上がる表に作りかえる。それも立派な営業活動です
札幌市東区の就労継続支援A型事業所ネクサスリンクでは、「この作業、こうしたら速くなりませんか」という提案を歓迎しています。一緒に考えられます。
最後に
忙しいことと、価値を生んでいることは、同じではありません。
今日は、自分の作業を1つ思い浮かべて、こう考えてみてください。
「これは、何につながっているんだろう」
答えが出なくても構いません。その問いを持っている人が、どの会社でも重宝されます。
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