📍 はたらく階段|STEP 2
この記事は、札幌市東区の就労継続支援A型事業所ネクサスリンクが、A型事業所から就職までに身につけたいことをまとめたシリーズの1本です。順番や、いま自分がどの段にいるかはシリーズの目次と読み方をご覧ください。全部読まなくて大丈夫です。
先に3行だけ書いておきます。
- 仕事の完成度は、まず6割でOKです。そこで一度、確認を取ります
- 6割とは「そのまま出せる状態」のこと。未完成品を見せる話ではありません
- 直しがあれば直す。それだけです。数をこなすほど、速く、うまくなります
仕事が進まない理由の多くは完璧主義が原因です

仕事が遅い人というのは、手が遅い人ではありません。
自分が納得するまで、出さない人です。
ちゃんとしたものを出したいから、10割になるまで手元に置いておく。これは、まじめな人ほどそうなります。
ただ、そうすると直しが全部あとから来ます。しかも、10時間かけたものに直しが入るので、戻る量が大きい。そこで心が折れて、また手が止まる。
完璧主義そのものは、立派なことです。手を抜かないというのは、それだけで価値があります。
ただ、仕事になると裏目に出ます。理由がはっきりしているので、次に書きます。
完成度を判定するのは、自分ではありません
ここが、この記事でいちばん大事なところです。
学校のテストは、正解が決まっていました。だから、自分で「できた」と判断できました。
仕事は違います。正解を持っているのは、相手のほうです。職員さんだったり、その先のお客さんだったりします。
つまり、自分の中の10割と、相手の10割は、違うことがあります。どれだけ丁寧に磨いても、求められていた方向と違えば、その手間は届きません。これは能力の問題ではありません。採点表を持っていないだけです。
だから、順番を変えます。6割の時点で、一度採点表をもらいます。
| やり方 | 方向が違っていたとき |
|---|---|
| 10割まで作ってから出す | かけた時間が、まるごとやり直しになる |
| 6割で一度確認する | 残りの4割を、正しい方向に使える |
早く終わるのは、下の段です。手を抜いているのではなく、やり直しが小さくて済むからです。
そして、その仕事が誰にどう届くのかが見えていると、方向はもっと分かりやすくなります。
「6割」って、どのくらいでしょうか
ここがあいまいだと使えないので、はっきり書きます。
6割は、途中の状態ではありません。
自分の中の完璧を10だとしたら、その6割の段階です。言い換えると、こうなります。
そのまま出せる(公開できる)状態。ただし、自分としてはまだ磨きたいところが残っている
これが6割です。未完成品を見せる話ではありません。「これで出せます」というところまで作って、そこで一度止めて確認を取るということです。
出品の仕事で言うと、こうなります。
| 段階 | 状態 |
|---|---|
| 3割 | 写真だけ撮った。説明文も価格もまだ。→ これは出せません |
| 6割 | 写真も説明文も価格も入っている。このまま公開できる。ただ、写真はもっと良く撮り直したいし、説明文も練りたい |
| 10割 | 写真を何度も撮り直し、説明文も推敲し、相場も全部調べた。自分としては完璧 |
6割で止めて、確認を取ります。3割では早すぎますし、10割まで行ってしまうと遅すぎます。
細かく分けて、それぞれを6割にする話ではありません
ここは間違えやすいので、書いておきます。
作業を細かく分けて、ひとつひとつを雑に済ませることではありません。それは6割ではなく、未完成品がたくさんある状態です。
6割は、ひとつのものを最後まで作りきった状態を指します。抜けや漏れがあってはいけません。足りていないのは「磨き込み」だけです。
残りの4割は、使わないこともあります
「6割で出す」と聞くと、残りの4割を、あとでやるだけに聞こえるかもしれません。でも、そうとは限りません。
- 6割で、すでに十分なことがあります。そのまま出して終わりです
- 直しが入ったら、そこだけ直せばいいです。全部やり直す必要はありません
- 直しがなければ、それでリリースです
つまり、4割を使わずに終わることが、けっこうあります。ひとりで10割にしていたら、その4割は毎回、全部使っていました。
数をこなすと、6割が軽くなります
ここが、いちばん大事なところかもしれません。
これを繰り返していくと、いままで6割だったものが、だんだん少ない力で作れるようになります。
| 同じ6割を作るのに必要な力 | |
|---|---|
| 最初 | 6割ぶんの力が要る |
| 何回か繰り返すと | 5割ぶん |
| さらに続けると | 3割ぶんの力で、同じ6割が作れる |
これが、レベルが上がるということです。同じ品質のものが、速く作れるようになる。
そして、これは回数をこなさないと起きません。1件を何時間もかけて磨いても、次の1件が速くなるわけではないからです。
10割で出そうとすると、上達も遅くなります
| やり方 | 1か月でこなせる数 | 上がるレベル |
|---|---|---|
| 10割にしてから出す | 少ない | 遅い |
| 6割で出して、直す | 多い | 速い |
10割まで磨こうとすると、1件にかかる時間が何倍にもなります。すると、こなせる数が減ります。数が減ると、上達する回数も減ります。
丁寧にやっているのに伸びない、という状態は、たいていこれです。手を抜けという話ではありません。回数が足りていないだけです。
大事なのは、数をこなすことです。1件を完璧にするより、10件を6割で出して直したほうが、1か月後の自分は確実に上にいます。
あとは、コツコツ続けるだけです
6割で出す → 直しがあれば直す → 次へ。これを繰り返すだけです。
特別なことは何もしません。コツコツ続けることが、そのままレベルになっていきます。
見せ方は、これで足ります

「いったん、これで出せる状態にしました。確認をお願いします」
ポイントは、「いったん」を先に言うことです。
これがあると、相手は「まだ直せるものとして見る目」で見てくれます。直すところがあれば、遠慮なく言ってもらえます。
逆に、何も言わずに出すと、相手は「これで完成のつもりなんだな」と受け取ります。すると、細かいところを言いにくくなってしまう。同じものを出しているのに、返ってくるものが変わります。
もう一言足すなら、これです。
「この方向で合っていますか。直すところがあれば教えてください」
口で言いにくければ、メッセージで構いません。Slack や Chatwork に1行送っておけば足ります。
直しが入るのは、失敗ではありません
確認を取ると、たいてい何か言われます。「ここはこうしてほしい」「これは要らない」。
それが目的です。
| 直しが入った | → 4割の使い道が決まった。正解に近づいた |
| 直しが入らなかった | → そのまま完成。4割ぶん、時間が浮いた |
どちらでも損はしていません。
「ここ直して」は、あなたを否定する言葉ではありません。採点表を渡してもらっているということです。
見せたら怒られた経験がある方へ
ここは書いておきます。
前の職場で、確認を取ろうとして「こんな中途半端なものを持ってくるな」と言われたことがある方は、出せなくなっていると思います。当たり前です。
ただ、その経験は3割の状態で出したときの話かもしれません。6割は「そのまま出せる状態」なので、中途半端ではありません。ここでは、6割で確認を取るほうが正しいやり方です。
それでも強い言い方をされたときは、そのままサービス管理責任者か生活支援員に伝えてください。言いにくければメッセージで構いません。それは、あなたの出し方の問題ではありません。
やり方は、3段です
| 段 | やること |
|---|---|
| 1 | 「これで出せる」というところまで作って、手を止める(今日やること) |
| 2 | 「いったん、これで出せる状態にしました」と確認を取る |
| 3 | 返ってきた内容にそって、修正する |
いきなりできなくて大丈夫です
10割まで持っていかずに手を止めるのは、最初はかなり抵抗があると思います。まじめにやってきた人ほどそうです。
やることは1つだけです。少しずつ、意識づけていく。
1か月くらい経ったら、1か月前の自分を思い出してみてください。
| 1か月前 | 納得できるまで、ひとりで抱えていた |
| いま | 出せる状態になった時点で、一度確認している |
比べる相手は、周りではなく1か月前の自分です。ただし、調子が落ちている時期は比べないでください。必ず悪く見えます。
まとめ
- 仕事が進まない原因は、「手が遅い」ではなく「納得するまで出さない」ことです
- 完成度を判定するのは、自分ではありません。正解は相手が持っています
- 6割とは「そのまま出せる状態」のこと。未完成品でも、雑なものでもありません
- 6割で出して、直しがあれば直す。これを繰り返すと数がこなせて、レベルが上がります
- 大事なのは、数をこなすことです。1件を完璧にするより、10件を6割で出したほうが早く伸びます
札幌市東区の就労継続支援A型事業所ネクサスリンクでは、6割の状態で持ってきてもらって構いません。納得できるまで抱えないでください。
最後に
今日は、「これで出せる」というところまで作ったら、そこで手を止めてみてください。
「いったん、これで出せる状態にしました。確認をお願いします」
まだ磨きたいところが残っていて構いません。それを、どこに使うかを聞きに行くだけです。
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札幌市東区の就労継続支援A型事業所ネクサスリンク
































