📍 はたらく階段|STEP 2
この記事は、札幌市東区の就労継続支援A型事業所ネクサスリンクが、A型事業所から就職までに身につけたいことをまとめたシリーズの1本です。順番や、いま自分がどの段にいるかはシリーズの目次と読み方をご覧ください。
先に3行だけ書いておきます。
- 周りと比べると、際限がありません。上には必ず上がいます。
- しかも人は自分より上のほうを見てしまうので、どこにいても「自分は下」になりがちです。
- だから、比べる相手を少し前の自分に変えてください。条件が同じなのは、そこだけです。
そして、比べても変化が出てこない方には、別の話があります。伸びが止まったのではなく、変化の中身が変わっただけかもしれません。それは後半に書いています。
上には上がいます。必ずいます

速さ、丁寧さ、覚えの早さ、段取り、話し方、人当たり。どの軸でも、必ず自分より上の人がいます。
しかも軸は無限にあります。速さで並んでも、丁寧さで負けます。丁寧さで並んでも、別のところで負けます。
つまり、この比較には終わりがありません。どこまで上がっても、次の軸で下になります。
人は、自分より上のほうを見てしまいます
10人の職場で、自分が5番目だとします。ちょうど真ん中です。
それでも、目に入るのは上の4人のほうです。下の5人は、たいてい見ていません。人はそういう見方をしがちです。
だから、こうなります。
実際の位置と関係なく、比較の結果は「自分は下のほう」に寄っていきます。
これは、あなたの見方がゆがんでいるからではありません。そう見えるのが普通です。1番の人でも、別の軸を持ち出して自分より上を見つけます。
つまり、勝ち切れないようにできている勝負です。だから「気にしないようにする」より、別のものさしを1本持っておくほうが早いと思っています。
そして、条件が違いすぎます
もうひとつ、実務的な話をします。そもそも、比較になっていません。
そろっていないものが、いくつもあります。
- その作業をやってきた年数
- 前の職場での経験
- 障害の内容と、その日の体調
- 飲んでいる薬の影響
- 得意なことと、苦手なこと
ここまで違う相手と数字を並べても、何も分かりません。速いほうが優れているのか、条件が違うだけなのか、区別がつかないからです。
そして、ここが結論です。
条件がまったく同じ相手が、ひとりだけいます。少し前のあなたです。
同じ体、同じ特性、同じ職場、同じ作業。ここだけが、ちゃんとした比較になります。気持ちの問題ではなく、測り方として正しいという話です。
少し前の自分と、比べてみる

前回の記事で、その日やった数をメモに書く話をしました。あれが、ここで効きます。
昨日と今日の差は、自分では見えません。でも、記録を並べると出てきます。最初の週と今週を見比べるだけです。
数だけでなく、こういうところも見てください
数字に出ない変化のほうが、じつは大きいです。少し前を思い出して、当てはまるか見てください。
- 前は聞かないとできなかったことが、聞かずにできている
- 前は途中で止まったところで、止まらなくなっている
- 同じ量をやっても、前より疲れなくなっている
- ミスに自分で気づけるようになっている
どれかひとつでも当てはまれば、それは変化です。これは誰かと比べる必要がありません。あなたの中だけで完結します。
1つも当てはまらなかった方へ
ここが、この記事でいちばん大事なところかもしれません。
いま4つ挙げましたが、ひとつも当てはまらなかった方もいると思います。とくに、1年、2年と長く通っている方です。全部、とっくにできている。だから差が出ない。
そこで「もう自分は伸びない」と思わないでください。同じ作業でも、上げられるところはまだあります。
さっきの4つは、作業を「できるようになる」までの変化でした。そこから先は、変化の中身が変わります。
作業の種類が変わらなくても、仕事の仕方は上げられます。
たとえば、こういうところです。
- 同じ量を、より正確に仕上げる
- ミスが出る原因を見つけて、やり方のほうを変える
- 前後の工程まで見て、次の人に渡しやすい形にする
- 手順を言葉にして、人に教えられるようにする
これは、慣れた人にしかできません。手が覚えているからこそ、作業の外側が見えるようになります。まだ覚えている途中の人には、そこまで手が回りません。
そして実際、慣れてきた方には、職員さんのほうから求めることが上がっていきます。「ここはもう少し詰められる」「この部分を任せたい」。要求が上がってきたら、それは伸びている証拠です。作業の名前が同じなので、気づきにくいだけです。
もし、そういう話が来ていないと感じるなら、こう聞いてみてください。
いまの作業は慣れてきました。もっと良くするには、どこを直したらいいですか。
これは、聞かれて困る質問ではありません。むしろ、聞かれるのを待っている質問です。そして、たいてい何か返ってきます。自分では見えていない癖が、外からは見えているからです。
そのうえで、別の作業もやってみたいなら、それも言っていいです。
新しい作業も、やってみたいです。
これは、わがままではありません。「いまの作業に不満がある」という話にもなりません。言ってもらわないと分からない、というだけの話です。
「聞くほどのことじゃない」と思って、何年も黙っている方はけっこういます。そこは、言ってしまったほうが早いです。
記録を取るのが怖い、という方へ
並べてみて同じ数字だったら、「変わっていない」が確定してしまう。だから記録したくない。これは、よく分かる話です。
ただ、同じ数字が並んだら、それは「伸びていない」ではありません。
「同じ作業を、安定してこなせている」ということです。そして、数だけを追う段は終わった、という情報でもあります。ここから先は、正確さや段取りのほうに変化が出ます。
数字が動かないこと自体が、ひとつの答えです。そのまま職員さんに見せて、「ここから先は何を上げたらいいですか」と聞くのがいちばん早いと思います。
時間がたってから、振り返る

1週間では、変化は小さいです。「言われてみれば、少し楽になったかも」くらいです。
ところが1か月、半年、1年たつと、はっきりすることが多いです。「1年前の自分は、これができなかった」が、思い出そうとしなくても出てきます。差が大きいと、隠れにくいからです。
そしてこれは、就職を考えるときにそのまま効きます。面接で聞かれることのひとつが、これです。
この1年で、できるようになったことは何ですか。
周りと比べてきた人は、ここで詰まります。「自分は人より劣っています」しか出てこないからです。過去の自分と比べてきた人は、ここに答えがあります。
「1年前は聞かないとできませんでしたが、いまはひとりで最後まで進められます」。これは、誰かより上だという話をしていません。それでも、十分に強い答えです。
もし、ここで答えられるものが出てこないなら——それはひとつ前の話です。できるようになったことではなく、うまくなったことのほうを探してみてください。「同じ作業ですが、ミスが減りました」「人に教えられるようになりました」。これも十分に答えになります。
それでも、比べてしまう日があります
ここまで書いてきましたが、正直なところ、比べるのをやめるのは無理です。
隣で作業している人が速いのは目に入ります。自分より後から来た人が先に任されるのも見えます。見えたら、比べます。止めようと思って止まるものではありません。
だから、やめようとしなくて大丈夫です。代わりに、1つ足してください。
あの人は速い。
——で、少し前の自分より、自分はどうか。
前の比較を消すのではなく、あとに1つ足すだけです。消すのは無理でも、足すのはできます。
これを何回かやると、だんだん2つめが先に出てくるようになります。そうなったら、この記事の話は身についています。
なお、人と比べて自分を責める考えが止まらない、他のことが手につかないという状態が続いているなら、それは考え方の工夫ではどうにもならないところかもしれません。次の診察日を待たずに、主治医の先生に連絡してください。
あなたはあなたです
最後に、ひとつだけ。
同じ作業をしていても、人によって出方が違います。速い人が丁寧とは限りません。丁寧な人が速いとも限りません。覚えの早い人が、続けるのが得意とも限りません。
誰かと同じ形になろうとしなくて大丈夫です。あなたはあなたです。
ただし、これは「いまのままでいてください」という意味ではありません。同じ作業を続けていても、やり方は上げていけます。そして、別のことをやってみたいなら、言っていいです。そこは遠慮するところではありません。
比べる相手は、少し前のあなただけで足ります。そして、毎日コツコツ続けていれば、少し前の自分は超えていけます。これは、上には上がいる勝負と違って、他人の都合で結果が変わらない勝負です。
まとめ
- 周りと比べると際限がありません。軸が無限にあるので、どこまで行っても下があります
- 条件が同じ相手は少し前の自分だけ。ここだけが、まともな比較になります
- 比べるのはやめられません。やめずに、あとに1つ足すだけで足ります
- 変化が出てこないなら、「もっと良くするには、どこを直したらいいですか」と聞いてください。同じ作業でも、上げられるところはあります
札幌市東区の就労継続支援A型事業所ネクサスリンクには、EC運営・データ入力・デザイン・動画編集・飲食など、性質の違う仕事があります。いまの作業に慣れたら、次を相談できます。
最後に
少し前の自分を、1つだけ思い出してみてください。ひとつでも変わっていれば、それがあなたの分です。
思い出しても、何も変わっていなかった方へ。それは止まっているのではなく、変化が出る場所が移っただけです。職員さんに、一言だけ聞いてみてください。「もっと良くするには、どこを直したらいいですか」
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札幌市東区の就労継続支援A型事業所ネクサスリンク
































