📍 はたらく階段|STEP 2
この記事は、札幌市東区の就労継続支援A型事業所ネクサスリンクが、A型事業所から就職までに身につけたいことをまとめたシリーズの1本です。順番や、いま自分がどの段にいるかはシリーズの目次と読み方をご覧ください。
先に3行だけ書いておきます。
- メモを取っても、分からないことは普通にあります。それは問題ではありません。
- 問題になるのは、分からないまま進めてしまうことだけです。
- 今日やることは、「分かりました」と言わないことだけです。分かっていないときは。
「わかりません」は、勇気の問題ではありません。言えるように分解できます。そのやり方を書きます。
まず、メモを取りましょう

先に、率直に書きます。同じことを何回も聞くのは、やはり良くありません。
ただ、それは「聞くな」という話ではありません。同じことを何回も聞かなくて済む形にしましょうという話です。
そのための道具が、メモです。メモはきれいに書かなくていいので、走り書きで構いません。まずはメモを取るようにしてみてください。
そして、ここが本題です。
メモを取っても、分からないことは普通にあります。
- メモを取ったけれど、意味が分からなかった
- 作業を始めてから、あとで疑問が出てきた
- メモは残っているのに、書いた内容を思い出せない
この3つは、全部そのまま職員さんに相談してください。メモを取ったうえで分からないなら、それはもう「何回も同じことを聞いている」には入りません。
メモを取っても、聞き直しても分からない。これも普通にあります。1回で分かるものばかりではありません。少しずつ練習していけば十分です。
問題は「分からない」ではなく「分からないまま進めること」
ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。
分からないこと自体は、問題ではありません。誰でもあります。何年やっていてもあります。
問題になるのは、たった1つです。
分からないまま進めて、トラブルになること。
ここだけです。それ以外は、何も起きていません。
そして、こういうトラブルはたいてい、確認1回で防げたものです。あとから直すのに何時間もかかることが、その場の30秒で終わっていた、という形になります。
だから、確認は恥ずかしいことではなく、予防です。
「分からないところをその都度確認する」のは、性格の話でも、能力の話でもありません。仕事の手順のひとつです。トラブルを未然に防ぐために、はさむ工程だと思ってください。
ここが分かると、聞くときの気持ちが変わります。自分の弱みを見せているのではなく、事故を止めているだけだからです。
「わかりません」は、5つに分かれます
「わかりません」が言えない理由の多くは、勇気ではありません。何が分からないかを、自分でも特定できていないからです。
だから、言葉になりません。「なんとなく分からない」は、口に出しにくいのが当然です。
分けてみると、たいていこの5つのどれかです。
| 状態 | そのまま使える言い方 |
|---|---|
| 全部分からない | 「すみません、最初から分かっていません」 |
| 途中から分からない | 「◯◯までは分かりました。そこから分かりません」 |
| 言葉が分からない | 「◯◯って何ですか」 |
| やり方は分かるが、判断が分からない | 「これはAとBのどっちですか」 |
| 分からないことが、分からない | 「一度やってみて、また聞いていいですか」 |
どれかに当てはめれば、それがそのまま言葉になります。考えて文を作らなくて大丈夫です。
いちばん使えるのは、2番目です。「どこまでは分かったか」を先に言うと、そこから先だけ教えてもらえます。全部説明されて、また覚えきれない、ということが起きません。
何が分からないかも、分からないとき
表のいちばん下です。ここがいちばん多いかもしれません。
説明を聞いているあいだは分かった気がして、いざ手を動かすと止まる。でも「何が分からないんですか」と聞かれると、答えられない。これはよくあります。
そういうときは、こう言ってください。
一度やってみて、また聞いていいですか。
手を動かすと、分からない場所が見つかります。頭の中で探しても出てきませんが、実際にやると「ここだ」と分かります。それを持って、もう一度聞けば足ります。
そして、この言い方にはおまけがあります。「また聞きます」と先に宣言しているので、2回目が聞きやすくなります。2回目の許可を、1回目にもらっておく形です。
ただし、ひとつだけ。やってみて分からなかったら、そこで止めて聞いてください。分からないまま最後まで進めるのが、いちばん高くつきます。
聞き直すときは、前置きを1つ

「前も聞いたのに、また聞くのか」と思われるのが怖くて、聞けない。これがいちばん多い詰まり方だと思います。
そこは、前置きを1つ置くだけで抜けられます。
前も聞いたかもしれないんですが、もう一度お願いできますか。
これを言えると、「聞き直している」ことを隠さずに聞けます。隠そうとすると、質問の形を考えるのに時間がかかって、結局聞けません。
そして、メモを見せながら聞くのがいちばん速いです。
ここまでメモしたんですが、この部分が分かりません。
メモを見せると、どこまで伝わっていたかが相手にも分かります。だから、足りない部分だけ足してもらえます。同じ説明を最初から繰り返されることが減ります。
「わかりません」と言うと、渡し方が変わります
言ったあとに何が起きるかを書いておきます。
ネクサスリンクで「分かりません」と言われたときにやることは、だいたいこの3つです。
- 教え方を変えます。口で説明して伝わらなかったなら、書いて渡します
- 一緒にやります。1回目を横で見ながら進めます
- 手順書を渡します。毎回聞かなくて済む形にします
ここで気づいてほしいことがあります。3つとも、変わるのはこちらの渡し方です。
「もっと集中して聞いてください」「メモを取ってください」で終わらせません。伝わらなかったのは、渡し方が合っていなかったということなので、そこを変えます。
だから、「分かりません」は、あなたが変わることを求められる合図ではありません。やり方を組み替えるきっかけです。
逆に言うと、言ってもらえないと変えられません。合わない渡し方が、そのまま続きます。
今日やるのは「分かりました」と言わないこと
いちばん軽い一手を置いておきます。何かを足すのではなく、やめるだけです。
分かっていないのに「分かりました」と言うのを、やめてください。代わりに「はい」で止めます。
- 「はい」=聞こえました
- 「わかりました」=理解しました。この後ひとりでやれます
この2つは別物です(挨拶と返事の記事にも書いています)。
「はい」で止めておけば、嘘をつかずに済みます。そして、そのあとで聞き返す余地が残ります。「わかりました」と言ってしまうと、そこで会話が終わってしまいます。
これだけなら、今日からできます。言葉を1つ、使わないようにするだけです。
なぜ、言える人のほうが伸びるのか
理由は3つあります。
- 正しい形が、最初に入ります。間違ったまま覚えて、あとで上書きするより速いです
- 渡し方が自分に合う形に変わります。手順書が出てきたり、一緒にやってもらえたりします
- 任される幅が広がります。分からないところを言う人には、新しい作業を渡しやすいからです
3つめについて補足します。渡す側から見ると、「分からないときに止まってくれる人」がいちばん安心です。分からないまま進む人には、新しいことを渡しづらくなります。
だから、同じ作業ばかりで新しいことが来ないと感じているなら、ここが効いてくることがあります。
やり方は、4段です
| 段 | やること |
|---|---|
| 1 | 分かっていないときに「分かりました」と言わない(今日やること) |
| 2 | どこから分からないかを言う。「◯◯までは分かりました」 |
| 3 | 前置きをつけて聞き直す。「前も聞いたかもしれないんですが」 |
| 4 | 「一度やってみて、また聞いていいですか」と自分で組む |
1段目だけでも、分からないまま進めることがかなり減ります。そこが目的なので、それで足ります。
就職したあとは、どうなるか
ここは正直に書きます。次の職場に、聞きやすい人がいるかどうかは分かりません。「そんなことも分からないのか」と言う人がいる職場も、実際にあります。
ただ、面接では確実に効きます。「分からないことがあったら、どうしますか」は、よく聞かれる質問のひとつです。
ここで「メモを取って、どこまで分かったかを伝えて、分からないところを確認します」と答えられる人は、それだけで違います。分からないまま進めない人だと分かるからです。採用する側がいちばん怖いのは、そこなので。
まとめ
- まずメモを取る。同じことを何回も聞かなくて済む形にします
- メモを取っても分からないことは普通にあります。そこは、そのまま相談してください
- 問題は「分からない」ではなく「分からないまま進めること」。確認は予防です
- 「わかりません」は5つに分けられます。当てはめれば、そのまま言葉になります
札幌市東区の就労継続支援A型事業所ネクサスリンクでは、「分かりません」と言われたら、教え方を変えるか、一緒にやるか、手順書を渡します。渡し方のほうを組み替えます。
最後に
今日やることは、分かっていないときに「分かりました」と言わないことだけです。
「はい」で止めておいてください。それだけで、分からないまま進む道が1本ふさがります。
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札幌市東区の就労継続支援A型事業所ネクサスリンク
































