📍 はたらく階段|STEP 1(12本中5本目)
この記事は、札幌市東区の就労継続支援A型事業所ネクサスリンクが、A型事業所から就職までに身につけたいことをまとめたシリーズの1本です。順番や、いま自分がどの段にいるかはシリーズの目次と読み方をご覧ください。全部読まなくて大丈夫です。
「生活リズムを整えましょう」。この言葉を、もう何度も言われてきたと思います。先に3行だけ書いておきます。
- この記事は「早く寝ましょう」の話ではありません。
- 眠れないのは、心がけの問題ではないからです。睡眠時間を目標にしません。
- やるのは我慢が要らないことだけです。スイッチを切る、挿す。それだけです。
今夜できることは、2つです。どちらも数秒で終わります。
- 天井の電気を消す(手元のあかりだけにする)
- スマホを充電器に挿す
ここまで読んで閉じてもらっても構いません。
「規則正しい生活を」が、いちばん効かない

病院で言われた。家族に言われた。前の職場でも言われた。支援機関でも言われた。
それでも整っていないのは、やる気が足りないからではありません。
整えられるものなら、とっくに整えています。
眠れない、朝起きられない、昼夜が逆になる。これらは意志の力でどうにかする対象ではありません。体調そのものだったり、飲んでいる薬の影響だったり、もともとの特性だったりします。
だからこの記事では、「何時に寝る」「何時間眠る」を目標にしません。守れない目標を1つ増やしても、自分を責める材料が増えるだけだからです。
それから、眠れない状態が続いているなら、それは工夫や考え方でどうにかする段階ではありません。主治医の先生にも話してみてください。今すぐでなくても、次の診察のときで構いません。「こんなことで」と迷う方は多いのですが、眠れないことは、診察で話していい内容です。
そのうえで、この記事で扱うのは「我慢が要らないこと」だけです。がんばって早く寝る、スマホを見ないようにする——そういう話は出てきません。続かないからです。
夜、部屋を明るいままにしない
これが、この記事でいちばん実行しやすい話です。
天井の電気を消して、手元のあかりだけにする。スイッチを1回切るだけなので、数秒で終わります。眠れない夜でも、しんどい日でもできます。
これで眠れるようになる、とは言いません。ただ、明るいまま朝まで過ごすより、体は「いま夜だ」と分かりやすくなります。朝と夜の区別が体に伝わるかどうかは、意志ではなく環境の問題なので、ここは変えられる側です。
スマホも、見ること自体はかまいません。「寝る前にスマホをやめましょう」は、たぶん続かないと思うので書きません。ただ、画面の明るさを下げることと、時間を確認しないこと。この2つだけは効きます。「あと3時間しかない」と数えはじめた瞬間から、焦りだけが増えていくからです。
整えるのではなく、スイッチを切る。我慢が要らない範囲でできることは、やっておく価値があります。
前の晩の準備は、「明日のことを考えずにできること」だけ
朝しんどいのは、体を起こすことだけではありません。決めることも、同じくらい重いと思います。今日は行くのか休むのか。何を着るのか。何を持つのか。調子が落ちている朝は、服を選ぶだけで力を使い切って、そのまま布団に戻ることもあります。
それなら前の晩に済ませておけばいい——という話になりがちなのですが、ここには落とし穴があります。
夜に明日の準備をするのは、「明日行く」と決めることでもあるからです。
いちばん重い判断を、いちばん調子の悪い時間帯に前倒ししているだけ、ということが起こります。出しておいた服のまま行けなかった翌朝、その服を見るのがつらい。これは実際にある話です。
なので、前の晩にやることの条件は、ひとつだけにします。明日のことを一度も考えずにできること。それ以外はやらなくて大丈夫です。
条件に合うのは、たぶんこの2つだけです
- スマホを充電器に挿す——3秒。朝、電池がないと連絡すらできなくなります
- 休む日の連絡文を、スマホのメモに貼る——1回やれば終わりです。毎晩やる必要はありません
「明日着る服を出しておく」がうまくいく方もいます。合う方は、それがいちばん効きます。ただ、服を出すのが「明日行く」の宣言になってしまう方は、やらなくて大丈夫です。前の晩に決めないほうが楽な人もいます。
そして、ひとつもできない夜もあります。それも、そういう夜です。翌日にまとめて取り返さなくて大丈夫です。
眠れないまま夜が明けるとき
布団に入って、眠れない。時計を見る。「あと4時間しかない」。そこから焦って、もっと眠れなくなる。
眠れないなら、眠るのはいったん諦めてしまってかまいません。目を閉じて横になっているだけでも、体は休んでいます。「今日は横になる日」くらいに置いておくと、焦りが1枚減ります。
もっとも、すでに主治医に相談していて、薬も飲んでいて、それでも眠れないという方も多いと思います。その場合、この記事にできることはほとんどありません。工夫でどうにかなる範囲を、とっくに超えているからです。
ただ、眠れないまま通う形なら、いくつかあります。そちらのほうが現実的なので、次に書きます。
一睡もできなかった日の朝
結局眠れないまま朝になった。この日をどうするか、というのが本題です。
「寝てないから今日は無理だ」と、その場でひとりで決めなくて大丈夫です。形はいくつかあります。
- 今日は休む(寝ていない日に無理をすると、翌日以降に響きます)
- 遅れて行く(少し寝てから向かう。時間は書かなくて構いません)
- 短く行く(顔を出して、しんどければ早めに上がる)
- しばらく休む(眠れない状態が続いているなら、通う日数や時間そのものをサービス管理責任者と相談して減らせます)
ただし、どれを選んでも、連絡だけは送ってください。ここは下げません。連絡は、眠れるかどうかと違って、意志でできることだからです。1行で済みますし、休む日の連絡のしかたにそのままコピーできる文例を置いてあります。
それから、来てから決め直すこともできます。ただ、「今日は寝ていないので配慮してください」と自分から言うのは、かなりハードルが高いと思います。言えなくて大丈夫です。しんどそうに見える日は、職員のほうから声をかけます。
昼夜が逆転している方へ

いちばんよくあるのが、「生活リズムを戻してから通おう」という考え方です。
気持ちはとても分かります。ただ、先に戻そうとすると、「まだ準備ができていない」が終わらなくなります。どこまで戻れば合格なのかを、自分で判定し続けることになるからです。その判定は、たいてい厳しくなります。
だから、戻すのを先にしなくていいと思っています。ずれたまま入れる場所を探すほうが、現実的です。
ネクサスリンクの勤務は平日9:30からですが、狸小路のたこ焼き店には15時からのシフトもあります。朝がどうしても動かない方には、こちらのほうが合うことがあります。
通う曜日や時間も、体調に合わせて相談できます。全部を一気に戻す必要はありません。
整えるのではなく、スイッチを切る
この記事で言いたかったのは、ひとつだけです。
眠りは意志で変えられませんが、部屋の明るさと、朝やることの数は変えられます。
生活リズムを整えるのは、正直むずかしいです。整った状態が長く続く方のほうが少ないと思います。それでも、電気を消すことと、朝の自分がやらなくて済むことを1つ減らしておくことは、眠れない夜でもできます。
前々回の記事に書いた「仕組みで受け止める」と、同じ考え方です。自分を変えるのではなく、自分がラクになる形をつくる。
ネクサスリンクは、札幌市東区・地下鉄東豊線「東区役所前駅」ほぼ直結の就労継続支援A型事業所です。駅を出ると目の前が建物なので、寝不足の日や吹雪の日の負担が小さくて済みます。
最後に
今夜やることは、2つだけです。天井の電気を消す。スマホを充電器に挿す。合わせて10秒もかかりません。
これは、がんばる話ではありません。がんばらなくてもできることだから、やる価値があります。
そして、もし今夜また眠れなかったら、これだけ思い出してください。整えられるものなら、とっくに整えています。眠れないことで、自分を責めなくていいです。
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札幌市東区の就労継続支援A型事業所ネクサスリンク
































