📍 はたらく階段|STEP 1
この記事は、札幌市東区の就労継続支援A型事業所ネクサスリンクが、A型事業所から就職までに身につけたいことをまとめたシリーズの1本です。全部読まなくて大丈夫です。
いま重なっている方が読んでいると思うので、先に3行だけ書きます。
- いま決めないのは「辞めるかどうか」です。判断力が落ちているので、そこは精度が出ません。
- いまやるのは「状況を伝えておくこと」です。これは早いほうが効きます。
- 今日やることは、サビ管に一言だけ報告することです。
いま家のことが重なっていて、少し余裕がない状態です。念のためお伝えしておきます。
これで足ります。中身は言わなくて大丈夫です。ここまで読んで閉じてもらっても構いません。
最初に ── いま「消えてしまいたい」と思っている方へ
この記事では「全部やめる」という言葉を何度か使います。仕事や住むところの話として使っていますが、もしそれより先のことを考えているなら、そこだけ別に書かせてください。
その考えが浮かぶのは、あなたがおかしいからではありません。つらいことが重なって、判断が落ちているときに出てくる考えです。浮かんだこと自体は、行動に移す理由にはなりません。
いま、話せる先があります。
- 主治医。次の診察日を待たなくて大丈夫です。今日、病院に電話していいです
- 電話やSNSで匿名で話せる窓口が、厚生労働省のページにまとまっています(まもろうよ こころ)
- 職員やサビ管に、「しんどいです」だけ送ってもかまいません
ここは読み飛ばして構いません。以下は、仕事のほうの話です。
なぜか、一気に来ます

身内が亡くなる。家族が入院する。家の中で問題が起きる。お金の目処が立たなくなる。自分の体調も落ちる。そこに仕事のトラブルが乗る。
これが、なぜか同じ時期に来ます。
順番に来てくれれば、1つずつ向き合えます。ところが実際には、半年のうちに3つ4つまとめて来る時期があります。理由は分かりません。ただ、そういう時期はあります。
「なぜ自分だけ」と思うのは自然なことですが、そこにあまり意味がありません。誰にでもあるから我慢しろ、という話でもありません。
この記事で書くのは、いま波の中にいるときに、どう仕事を組み直すかです。
重なると、いちばん先に落ちるのは判断力です
つらいことが重なると、体力より先に判断力が落ちます。自分では気づきません。むしろ「頭は動いている」と思っています。だから危ないのです。
落ちているときに何が起きるか。選択肢が2つしか見えなくなります。
「このまま耐える」か「全部やめる」か。この2つだけになります。本当はあいだに10個くらい手があるのに、それが見えません。そして2つしかないなら、たいてい後者が選ばれます。
そして数か月あとに、「なんであんな決め方をしたんだろう」になります。これは意志が弱いからではありません。判断が落ちている時期に、判断させられただけです。
だから、この記事でやるのは「あいだの10個」を出すことです。
決めないのは「辞めるかどうか」だけです
ここを混ぜないでください。いま決めないものと、いま決めるものがあります。
| 中身 | |
|---|---|
| いま決めない (戻せない) | 辞める/人と縁を切る/引っ越す・部屋を出る/借金・大きな買い物/連絡先を消す |
| いま決める (あとで戻せる) | 伝えるかどうか。いま自分の状態が普段と違うことを、報告しておく |
戻せないほうは、期限を切って置いておいてください。
これは、2週間後に考える。
紙かスマホのメモに、この1行を書くだけです。「考えない」ではなく「あとで考える」にするのがコツです。放り出すと、頭の中でずっと回り続けます。日付を決めると、そこまでは置いておけます。
2週間後に見て、まだ同じ結論なら、そのときは決めてかまいません。辞めるという結論になることもあります。それは正当な判断です。ただ、落ち着いてから決めたほうが精度が高い、という話です。
そして、報告のほうは、いまやります。むしろ早いほうがいいです。黙ったまま普段と同じつもりで進めると、限界まで行ってから「辞める」に飛びます。先に伝えておくことが、辞めないための手になります。
待たないほうがいい例外
- 身の危険があるとき。家の中で殴られる、怒鳴られる、お金を取られるといったことが起きているなら、離れる判断を先延ばしにしないでください。その場から離れるのは、いつでも正しい判断です。役所の窓口や警察に相談できます
- お金と住まいの期限。家賃、公共料金、税金。これは待ってくれないので、あとに回せません(後ろに書きます)
サビ管に、状況を報告しておく

ここが、この記事の本題です。
やることは、これだけです。いま自分の状態が普段と違うことを、報告しておく。それ以上のことは、今日はしなくていいです。
サービス管理責任者(サビ管)に、こう伝えるだけです。
いま家のことが重なっていて、少し余裕がない状態です。念のためお伝えしておきます。
中身は言わなくて大丈夫です。「家のこと」でも「体調のこと」でも足ります。何が起きているかを説明できる状態ではない、というのは伝わります。
これは「減らしてください」ではなく、報告です
何かを変えてもらうためのお願いではありません。報告です。
仕事でトラブルが起きたら報告するのと同じで、自分の状態が普段と違うなら、それも報告の対象です。何をどうするかは、そのあとの話です。
報告しておくと、こちらから動けることが出てきます。
- 考えなくていい作業に寄せてもらう(この時期は、手だけ動かす作業のほうが進みます)
- その日やることの順番を、決めてもらう(自分で組もうとしないほうが速いです)
- 手続きや通院の日を、先に伝えておく(葬儀、役所、病院。予定として押さえておけば当日あわてません)
- 状況を一言だけ共有しておく(あとで説明しなくて済みます)
- いつまでこの形でいくかを、決めておく(「1か月後にもう1回話す」だけでいい)
最後のひとつが大事です。期限を決めておくと、これが「落としたまま」にならずに済みます。1か月後に見直して、まだ無理ならもう1か月。戻せそうなら戻す。それだけです。
そして、これは制度としてそういうものです。個別支援計画は、こういうときに変えるためにあります。体調や家庭の状況が変わったら、計画のほうを合わせにいく。特別なお願いではなく、本来の使い方です。
仕事が、拠り所になることがあります
ここは、意外に思われるかもしれません。
重なった時期に家で一人でいると、ずっとそのことを考えています。朝も昼も夜も、同じところを回っています。休んだ日ほど、頭が休まりません。
ところが、手を動かしている時間だけ、考えが止まります。作業に集中している数時間は、そのことを忘れていられる。これが、この時期にはかなり効きます。
「行くのがしんどかったけど、行ったほうが楽だった」と言う方は、少なくありません。決まった時間に、決まった場所で、決まったことをする。それが崩れているものの中で、唯一崩れていない骨組みになります。
だから、この時期の通所は「働くため」だけではありません。頭を休ませるために来る、話せる人がいる場所に来る、という使い方があります。
その日は考えなくていい作業だけ、と決めて来てもかまいません。そこはサビ管との相談で組めます。手が動く作業を1つ持っているだけで、その時間は頭を預けられます。
拠り所は、仕事以外にも作っておく
仕事だけに寄せると、仕事がしんどい日に何も残りません。もう1つか2つ、持っておいてください。
大げさなものでなくて構いません。毎日ほぼ同じ時間にやることが、いちばん効きます。
- 決まった時間に湯に入る、決まったものを食べる
- 同じ道を10分歩く
- 週に1回、話せる人と話す(誰でもいい。1人いれば足ります)
- 手が動く趣味(考えが止まるものほどいい)
気分がよくなるものを探さなくていいです。気分に関係なく、同じようにできるものを選んでください。この時期に気分を上げようとすると、上がらないことでまた落ちます。
それでも動けない日の連絡
働き方を組み替えても、動けない日は出ます。そのときは、連絡だけは切らないでください。
体調不良のため、本日お休みします。
1行で足ります。事情は書かなくて大丈夫です。電話は不要で、チャットに送るだけです(休む日の連絡のしかたに文例をまとめてあります)。
もう連絡が止まってしまっている方へ
1週間、あるいはもっと連絡していない。自分の中ではもう終わったことになっている。そういう方もいると思います。
まだ戻せます。雇用契約は、こちらから何も言っていないなら続いています。何日休んだかで自動的に切れるものではありません。
しばらく連絡できていませんでした。いま家のことが重なっていて、余裕がない状態です。
謝罪も、理由の説明も要りません。「いつから行きます」も書かなくて大丈夫です。この1行で、話し合いのほうに戻れます。
期限があるものだけ、先に片づける
仕事以外のほうも、少し書いておきます。
重なった時期に、全部に対処するのは無理です。優先順位をつけるのも難しくなります。順番をつけるのにも判断力が要るからです。
だから、優先順位はつけません。期限があるものだけやって、それ以外は「あとでやる」と決めて置いておきます。部屋の片付け、返信していないメッセージ、将来のこと、勉強。これは置いておけます。
期限があるものだけで手一杯になったら、順番を人に決めてもらってください。全部書き出して見せるだけで、上から3つに絞ってもらえます。サビ管でも、市区町村の障がい福祉の窓口でも、相談支援専門員がついている方はその方がいちばん向いています(この整理が本来の仕事です)。
家賃や支払いが、もう遅れているとき
遅れてしまってからでも、連絡すれば軽くなることが多いです。黙って止まっているほうが、あとで重くなります。相手も、事情が分からないと待つ判断ができません。
家賃の支払いが遅れております。家庭の事情が重なっており、支払いの相談をさせていただきたいです。
金額や日付は書かなくて構いません。「相談させてほしい」だけで通ります。
生活費が本当に立たないときは、市区町村の窓口に相談できる制度があります。これは事業所では扱えない話なので、役所の生活支援の窓口か、相談支援専門員に聞いてください。
「乗り越える」について、正直なところ
こういう話の締めは、たいてい「乗り越えましょう」になります。ただ、実際に通り過ぎた方に聞くと、乗り越えた感じは、あまりしないそうです。
気がついたら過ぎていた、というのが実際のところだと思います。ある日ふと、前より息がしやすいことに気づく。そういう終わり方をします。
だから、気合いで越えようとしなくて大丈夫です。やることは、形を変えて通過することです。
働き方を組み替えて、通い続けた人は、波が引いたときにそのまま元に戻せます。ゼロから積み直すのと、形を戻すだけなのとでは、そのあとの1年がまったく違います。これが、この時期にいちばん大きい差になります。
なお、身近な方を亡くされたあとは、気持ちの整理に時間がかかります。眠れない、食べられない、涙が止まらない、頭が働かない。そういう状態が続いているなら、次の診察日を待たずに、主治医の先生に連絡してください。予約を早めてもらえることもあります。
全部投げてしまう癖を、ひとつ止める
重なった時期に全部を一度に投げてしまう——これを繰り返してきた方は、けっこう多いと思います。仕事も、人も、部屋も、まとめて手放して、また最初から積み直す。
これは性格ではありません。助けを求めても届かなかった経験が続くと、誰でもこうなります。全部投げるのが、いちばん確実に苦しさが止まる方法だと学習してしまうからです。
ただ、身についたものなら、変えられます。そして変え方は、全部を守ることではありません。「相談する」を1回だけ挟むことです。
投げる前に、1回だけ相談する。それが通れば、次に重なったときも同じ手が使えます。良い流れは、そうやってひとつずつ作るものだと思っています。
札幌市東区の就労継続支援A型事業所ネクサスリンクでは、報告してもらえれば、その時期に合う作業を選んで振ることができます。IT・事務・デザイン・動画・飲食があるので、その時期に合う作業に寄せることもできます。
まとめ
- 重なると判断力が先に落ちます。「耐える」か「全部やめる」の2つしか見えなくなります
- いま決めないのは辞めるかどうか。いまやるのは状況を報告しておくことです
- 報告は「減らしてください」ではありません。状態が普段と違うことを伝えるだけです
- 家で一人でいるより、手を動かしている時間のほうが頭は休みます。仕事が拠り所になることがあります
最後に
今日やることは、この1行だけです。
いま家のことが重なっていて、少し余裕がない状態です。念のためお伝えしておきます。
辞めるかどうかは、まだ決めなくていいです。先に、伝えるだけ伝えておきましょう。
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体験の日は、日替わりランチ(ふだんは200円)を無料で召し上がっていただけます。
札幌市東区の就労継続支援A型事業所ネクサスリンク
































