ネクサスリンクで働き始めて半年ほど経つと、利用者の方々それぞれの歩み方に、少しずつ違いが見えてくることがあります。
最初は、みなさん同じようなところからのスタートです。データの入力、画像の調整、記事の修正。派手ではない、地道な作業から入っていきます。
それでも、半年も経つと、ある人は新しい仕事に関わるようになり、ある人は今の作業を丁寧に続けている、というふうに、それぞれのペースが見えてきます。能力の差というよりは、毎日の過ごし方が少しずつ違っているのだと思います。
では、何が違っているのか。今日は、その小さな違いについて、ゆっくりお話ししていきます。
業務時間の中で身につくこと、その先にあること

ネクサスリンクは、A型事業所として「働く場所」です。仕事をしてお給料を受け取る、という基本のかたちで成り立っています。
業務時間の中で、自然に身についていくものはたくさんあります。
- 与えられた作業を、決められた手順で進める力
- 分からないときに、人に聞いて解決する習慣
- 毎日同じ時間に通い続ける生活リズム
- チームの中で自分の役割を果たす感覚
これらは、毎日通うこと自体が積み重ねになって身についていくものです。決して小さな力ではありません。仕事を続けるための土台になりますし、日常の安定感にもつながります。
その上で、もう少し先のところ。たとえば「自分で考えて作業を組み立てる」「これまでと違う仕事に挑戦してみる」といったことになると、業務時間の中で進む部分と、もう少し別のところで動いている部分があるように感じます。
業務時間は、お客様の仕事に向き合う時間です。だから、そこで身につくのは、その仕事をきちんとこなすための力です。それ以上の広がりは、仕事の外側で少しずつ生まれていくのかもしれません。
これは、ネクサスリンクに限った話ではないと思います。どんな職場でも、仕事として手を動かす時間と、自分のために時間を使う場面は、たぶん少しずつ別の場所にあります。
半年後、確かに差が生まれている

冒頭でお話しした、半年後の差。その差を生んでいるのは、業務時間の外で起きている、ささやかな何かです。
具体的にお話ししましょう。
ある方は、画像処理の作業をしているときに「PNG」という言葉が分からないことに気づきました。その日、家に帰ってからスマートフォンで「PNG とは」と検索しました。1分くらいで読み終わる解説記事でした。
別の方は、ECサイトの商品登録の作業をしているときに、「サムネイル」という言葉がよく分からないまま、なんとなく作業を進めていました。その方は休憩時間にスタッフに聞き、それでもまだピンと来なかったので、帰り道に動画サイトで「サムネイルとは」を検索しました。
たったそれだけです。本を買って勉強した、というような大げさな話ではありません。特別な努力でもありません。
ただ、こうした小さな積み重ねが、半年経つとはっきりと差になって現れます。
なぜなら、業務時間の中で同じ作業を繰り返しても、その作業の「外側」にある知識は増えていかないからです。PNGとJPGの違いを知っているかどうかで、画像を扱う作業の理解度はまったく変わってきます。サムネイルの役割を知っているかどうかで、商品登録の作業の意味の見え方が変わります。
さらに半年経つと、知識の差は仕事の質の差になります。理解して作業している人と、手順だけで作業している人では、ミスの種類が違ってきますし、新しい仕事を任せやすさも変わってきます。
これは事業所が勉強を強制している話ではありません。通っている方々を観察していて、結果的にそうなっているという事実の話です。
小さな自己投資から始められる

「自己投資」と聞くと、教材を買うとか、資格の勉強をするとか、そういう大きなものを思い浮かべるかもしれません。専門書を買ってきて毎日2時間机に向かう、というイメージを持つ方もいるかもしれません。
ネクサスリンクで実際に伸びている方々を見ていると、もっとずっと小さなところから始まっています。
- 気になった言葉をスマホで5分だけ調べてみる
- 今日やった作業を、寝る前に一度だけ思い返してみる
- 分からなかったことを、メモに残しておいて翌日聞いてみる
- 通勤電車の中で、業務に関連する短い動画を1本だけ見てみる
- 週末に1回だけ、自分が使っているツールの公式サイトを覗いてみる
時間にして、1日10分にも満たないことです。お金もかかりません。机に向かう必要もありません。
それでも、これを続けている方とそうでない方の間には、半年でしっかりと違いが出ます。
ハードルを上げる必要はないんです。むしろ、最初から大きなことをやろうとすると続きません。「気になったことだけ、ちょっと調べる」くらいで十分です。
業務の中でAIを使う場面も増えてきましたから、調べものの負担は以前よりずっと減っています。AIに「これ簡単に説明して」と聞くだけで、その日のうちに理解が一段深まります。
実際にどう使っているかは、こちらの記事でも紹介しています。AIを活用した仕事の進め方を見る
大事なのは「特別な時間を作ろうとしないこと」かもしれません。今ある生活の隙間に、5分だけ業務に関連することを差し込む。それを毎日ではなく、気が向いたときだけでもいい。
完璧を目指さない。続けることだけを目指す。これが、無理なく自己投資を続けている方々の共通点です。
やらない選択をする方を否定しません

ここまで読んで、「自分は無理だな」「そこまでして伸びたくない」と思った方もいるかもしれません。
その気持ちは、否定されるものではありません。
ネクサスリンクに通う理由は人それぞれです。スキルを伸ばしたい方もいれば、まずは生活リズムを整えたい方、人と関わる場所が必要な方、収入の安定を優先したい方、長く休んでいた状態から少しずつ社会に戻ろうとしている方。
すべてが正しい理由です。
時間外に何もしないと決めている方も、ここでは普通に働いています。誰かに責められることもありません。仕事中に「もっと勉強しなさい」と言われることもありません。
伸びていく人は伸びていくし、自分のペースを大事にしたい人はそれを大事にする。どちらも、この場所で並んで働いています。
ここをはっきりお伝えしておきたいのは、自己投資が「全員に課せられた義務」ではないからです。それは、自分のために自分で選ぶことです。
体調が安定しないうちは、休むことを優先するのが正解です。気持ちに余裕がないうちは、生活リズムを守ることだけで十分です。無理に「伸びよう」とすることが、逆に体調を崩す原因になることもあります。
「いつかやる気になったら、少し動いてみようかな」そのくらいの距離感で構いません。
自分のために動くという感覚を持てたとき

時間外に少し動いている方たちが、なぜ動いているのか。
話を聞いてみると、ほとんどの方が「事業所のため」とは言いません。「半年後の自分が困らないように」とか、「いずれ一般就労を考えているから」とか、「今の作業をもう少しちゃんと理解したいから」とか、もっと自分寄りの理由を持っています。
ある方はこう話していました。「動画編集の仕事をしているのに、編集ソフトのこと、自分で調べたことがなかったんですよね。それじゃ、いつまでも言われた通りにしかできない。それが悔しくて」
別の方はこう話していました。「家で何かしてるって言っても、休憩中にスマホで業界のニュースを見るくらい。でも、それを始めてから、職場の話が前より分かるようになった気がする」
A型事業所は、ずっといる場所ではない方も多いです。体調が安定してきたら、一般企業に移っていく方もいます。ネクサスリンクの中で、より責任のある仕事に関わっていく方もいます。あるいは、A型での経験を活かして、自分でフリーランスのような働き方を始める方もいます。
そのとき、業務時間の中で身につけたことだけでは、少し足りないかもしれません。業務時間の外で積み上げてきた小さなものが、次のステージで効いてきます。
これは「事業所が利用者に求めること」ではなく、「自分の人生のために自分が選ぶこと」です。誰かに言われてやっても続きませんし、自分のためだと思えれば、苦にもなりません。
逆に言えば、まだ「自分のために動こう」と思える状態にない方は、無理に動かなくていいのです。その気持ちが自然に湧いてくるのを待つ時期も、人生の中では必要です。
ネクサスリンクが用意するもの、用意できないもの

役割分担を、はっきりさせておきます。
ネクサスリンクが用意しているのは、次のような環境です。
- 実際の業務を通じて手を動かせる場所
- 分からないときに聞ける環境
- 続けて通える生活の土台
- 東区役所前駅から徒歩1分の通いやすい立地
- ヴェールクレールでの200円ランチで負担を減らせる仕組み
- 体調や状況に応じた業務調整
- IT業務が合わない場合の別の仕事への移動
ここまでは、こちらの責任で整えています。通うことそのものに、できるだけエネルギーを使わずに済むよう配慮しています。
立地や環境については、こちらでも触れています。セレスタ札幌の立地を見る
一方で、ネクサスリンクが用意できないのは、次のような領域です。
- 業務時間外の時間
- 「自分のために動こう」という気持ちそのもの
- 続けるかどうかの選択
この三つは、こちらが代わりに用意することはできません。利用者ご自身の領域です。
これは突き放しているわけではありません。むしろ逆で、ここを誠実にお伝えしておかないと、後で齟齬が生まれてしまうからです。
ネクサスリンクができることと、ご自身でできること。この組み合わせで、半年後、1年後の景色が変わってきます。
ITの仕事が合わないと感じた方には、別の仕事に移る道もあります。合わせ方は、一通りではありません。IT以外の仕事について見る
まずは見て、感じてみてほしい

ここまでお伝えしてきたことは、文章で読んだだけでは、おそらく半分も伝わりません。
実際に通っている方々の様子を見て、スタッフと話して、業務の現場を肌で感じたときに、初めて「ここなら通えそうだ」「ここで自分も少し動いてみようかな」という感覚が生まれてきます。
ネクサスリンクでは、見学と体験のどちらも受け付けています。
見学は、施設を見て回りながらスタッフの話を聞く時間です。1時間ほどあれば終わりますし、その場で何かを決める必要もありません。見学について見る
体験は、半日ほど実際の作業を一緒にやってみて、現場の空気を感じてもらう時間です。データ入力や簡単な作業を、スタッフと一緒に進めていきます。体験について見る
合わないと思えば、それで終わりにしていただいて構いません。ここに合うかどうかは、来てみないと分からないことだからです。
来てみて「やっぱり違う」となることも、結果としては正しい判断です。合わない場所で無理に働くより、合う場所を探したほうがいいに決まっています。
一日10分の小さな積み重ねから
伸びていく方々が、特別なことをしているわけではありません。1日10分にも満たない、ささやかな何かを続けているだけです。
その小さな積み重ねは、誰かに言われてやるものではなく、自分のために自分で選ぶものです。やる人を称賛するわけでもなく、やらない人を否定するわけでもなく、ただ、それぞれが自分のペースで働いています。
業務の中でできること。業務の外で、自分のためにできること。そのふたつが少しずつ重なっていったとき、半年後、1年後の自分は、今とは違う景色を見ているかもしれません。
最初の一歩は、本当に小さくていいんです。気になった言葉を、寝る前にスマホで調べてみる。それくらいから始めて、続けられそうな日は続け、疲れた日はやらない。
そうやって積み上がっていく半年間の差は、能力でも才能でもなく、ただ少しずつ自分のために時間を使った時間の合計です。
その入り口は、いつでも開いていますよ。
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