📍 はたらく階段|STEP 3
この記事は、札幌市東区の就労継続支援A型事業所ネクサスリンクが、A型事業所から就職までに身につけたいことをまとめたシリーズの1本です。順番や、いま自分がどの段にいるかはシリーズの目次と読み方をご覧ください。全部読まなくて大丈夫です。
先に3行だけ書いておきます。
- 配慮をお願いするのは、眼鏡をかけるのと同じことです。甘えではありません
- 配慮は「楽をするため」ではなく「力を出すため」のものです
- 今日やることは、お願いしたい配慮を1つ、言葉にしてみるだけです
眼鏡をかけている人に、「甘えるな」とは言いません

目が悪い人は、眼鏡をかけて働いています。
それを見て「裸眼で頑張れ」「眼鏡は甘えだ」と言う人は、いません。眼鏡をかけたほうが、仕事ができるからです。本人にとっても、職場にとっても、そのほうが得です。
配慮は、これと同じものです。
| 目が悪い | → 眼鏡をかける | → 見えるようになって、仕事ができる |
| 口頭指示が抜けやすい | → メッセージでもらう | → 指示が入るようになって、仕事ができる |
| 騒がしいと集中できない | → 端の席にしてもらう | → 集中できるようになって、仕事ができる |
形が違うだけで、やっていることは全部同じです。足りないところを道具や環境でおぎなって、力が出る状態を作っているだけです。
配慮は「楽をするため」ではなく「力を出すため」のものです
「甘え」と感じてしまうのは、配慮を「楽をさせてもらうこと」だと思っているからだと思います。
違います。配慮は、あなたの力を出すための調整です。
考えてみてください。口頭指示が抜けて作業をやり直すのと、メッセージでもらって一発で終わるのと、職場にとって得なのはどちらでしょうか。
配慮が通ると、あなたの成果が増えます。やり直しが減って、職場も助かります。両方が得をします。誰かが損をして、あなたが楽をする話ではありません。
だから、配慮のお願いはわがままの申請ではなく、仕事の相談です。
法律でも、決まっています
これは、気持ちの話だけではありません。
合理的配慮という言葉があります。障害のある人が働くうえでの障壁を、無理のない範囲で取り除くこと。これは法律で事業主の義務と定められています。A型事業所はもちろん、一般企業でも同じです。
つまり、配慮をお願いするのは、制度の上でも正当な行為です。特別なお願いをしているのではなく、用意されている仕組みを使っているだけです。
そして、前にも書きましたが、伝えるだけで足ります。解決策まで自分で用意する義務はありません。「こういう特性があるので、これが難しいです」で、話は始まります。
がんばりで隠すのが、いちばん高くつきます
逆のことも書いておきます。
配慮をお願いせず、がんばりで隠し続けるとどうなるか。
- 無理してカバーする(見えないところで消耗します)
- 周りは「大丈夫な人」だと思う(配慮の必要が、見えなくなります)
- 仕事が増える(大丈夫な人に、仕事は集まります)
- ある日、続かなくなる
この流れで働けなくなった方を、たくさん見てきました。隠すことは、優しさでも強さでもなく、いちばん高くつく選択です。
眼鏡を外して「見えるふり」で働き続けたら、いつか事故が起きます。それと同じことです。
お願いの形は、取扱説明書がそのまま使えます

前の記事で作った取扱説明書の④が、そのまま配慮のお願いになります。形は、これです。
「◯◯が苦手なので、△△の形にしてもらえると、ちゃんとできます」
ポイントは、「できます」で終わることです。
| 形 | 相手の受け取り方 |
|---|---|
| 「◯◯できません」 | できない報告に聞こえる |
| 「◯◯が苦手なので、△△ならできます」 | 仕事の相談に聞こえる |
言っている中身は同じでも、「できる」で終わると、配慮は通りやすくなります。相手に「動き方」が渡るからです。
口で言いにくければ、メッセージで構いません。取扱説明書を見せながら話すのも、立派なやり方です。
通らないことも、あります
正直なところも書いておきます。
お願いした配慮が、そのままの形では通らないこともあります。設備やほかの人との兼ね合いで、できることとできないことがあるからです。
そのときは、「では、どの形ならできるか」を一緒に探します。合理的配慮は、もともと話し合いで形を決めるものです。1回で決まらなくても、失敗ではありません。
そして、伝えたのに話し合いにもならないときは、持っていく先を変えてください。サービス管理責任者、生活支援員、管理者。事業所の外なら、担当の相談支援専門員にも話せます。
やり方は、3段です
| 段 | やること |
|---|---|
| 1 | お願いしたい配慮を、1つ言葉にしてみる(今日やること。言わなくていい) |
| 2 | 「◯◯が苦手なので、△△ならできます」の形に直してみる |
| 3 | 職員さんに1つ伝えてみる。メッセージでも構いません |
1段目だけで十分です。言葉になった時点で、いつでも出せる状態になっています。
いきなりできなくて大丈夫です
ずっと「甘えだ」と言われてきた方は、お願いの言葉が喉で止まると思います。それが普通です。
最初の1つは、いちばん小さいものからで構いません。「メッセージでもらえると助かります」くらいの、通りやすいものから。1つ通ると、2つめはずっと言いやすくなります。
1か月くらい経ったら、1か月前の自分を思い出してみてください。
| 1か月前 | 苦手を、がんばりで隠していた |
| いま | 1つだけ、仕組みでおぎなえている |
比べる相手は、周りではなく1か月前の自分です。ただし、調子が落ちている時期は比べないでください。必ず悪く見えます。
まとめ
- 配慮のお願いは、眼鏡をかけるのと同じです。甘えではありません
- 配慮は「楽をするため」ではなく「力を出すため」のもの。通れば、両方が得をします
- 合理的配慮は、法律で決まった仕組みです。伝えるだけで足ります
- がんばりで隠すのが、いちばん高くつきます。いつか続かなくなります
- お願いの形は「◯◯が苦手なので、△△ならできます」。「できる」で終わると通りやすいです
札幌市東区の就労継続支援A型事業所ネクサスリンクでは、配慮の相談を「仕事の相談」として受けています。言いにくければ、メッセージからで大丈夫です。
最後に
今日は、お願いしたい配慮を1つ、言葉にしてみてください。まだ言わなくていいです。
あなたが力を出せる形を知っているのは、あなただけです。
それを伝えるのは、甘えではなく、いちばん確実な仕事の準備です。
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札幌市東区の就労継続支援A型事業所ネクサスリンク
































