📍 はたらく階段|STEP 2
この記事は、札幌市東区の就労継続支援A型事業所ネクサスリンクが、A型事業所から就職までに身につけたいことをまとめたシリーズの1本です。順番や、いま自分がどの段にいるかはシリーズの目次と読み方をご覧ください。全部読まなくて大丈夫です。
先に3行だけ書いておきます。
- 腹が立つこと自体は、まったく悪くありません
- ただ、ぶつける前に一呼吸置いてください。やり方は2つあります
- これは言い方の話であって、我慢しろという話ではありません
腹が立つのは、当たり前です

相手のことを強く批判したくなることは、誰にでもあります。
言い方がきつかった。約束が違った。自分だけ扱いが違う気がする。腹が立つのは、当然のことです。
それに、こう思うこともあると思います。
「自分は障害や特性を抱えながら、それでも耐えているのに」
その気持ちも、当然のものです。理不尽の回にも書きましたが、感情そのものを否定するつもりはまったくありません。
お願いしたいのは、1つだけです。
その感情を相手に直接ぶつける前に、一回だけ立ち止まってください。
相手が職員でも、ほかの利用者さんでも、同じです。
強い言葉は、一度出すと戻せません。そして、あとで冷静になったときに、いちばん困るのは自分です。
1つめ ── 相談して、一呼吸置く
感情をぶつける前に、まず職員さんに相談してください。
その相手が職員さん自身だった場合は、サビ管(サービス管理責任者)や、別の生活支援員、ほかの職員に相談してみてください。本人以外に言っていいです。
なぜこれが必要なのか。一呼吸を置くことが、とても大事だからです。
強く批判したい、怒りたいと思っているとき、自分自身も冷静さを失っていることがほとんどです。これは性格の問題ではありません。誰でもそうなります。
ほかの人に相談して一呼吸置くと、こう考えられるようになります。
- そこまで言うほどのことだったのか
- もうちょっと、別のやり方があったんじゃないか
相談する時点で、言葉にする作業が始まっています。「何が嫌だったのか」を人に説明しようとすると、それだけで頭が整理されます。
相談された職員も、あなたを責めるために聞くわけではありません。そこは安心してください。
2つめ ── 距離・時間・手段を変える
感情をコントロールするには、相手との「距離」「時間」「手段」を変えることが効きます。
| 距離 | その場から一度離れる。席を立つ、別の部屋に行く |
| 時間 | その日のうちに返さない。翌日にする |
| 手段 | 口頭やメッセージではなく、まず紙に書く |
どうしてもイライラして抑えられないときは、相手に直接メッセージを送ったり、口頭で伝えたりする前に、一回その気持ちを文章に書いてみてください。
書くのは、この2つです。
- 本当は、どうして欲しかったのか
- 自分は、どうしたいのか
この2つを書くと、怒りが「要望」の形に変わります。「ひどい」は伝わりませんが、「先に一言ほしかった」は伝わります。
特に夜中です。一人になって、どうしてもイライラが募ってしまう時間帯があります。そういうときは、紙やメモ帳に書き留めてください。送信ボタンは押さないでください。
そして翌日、それを別の職員さんに見せて話をしてみてください。夜に書いたものを朝に読むと、たいてい自分でも驚きます。
これは「我慢しろ」という話ではありません
ここは、はっきり書いておきます。
ここまで書いてきたのは、「言い方」の話です。内容そのものを我慢する話ではありません。
次のようなことは、一呼吸置く話ではなく、すぐ伝える話です。
- ハラスメント(暴言、人格を否定される、しつこくからかわれる)
- 身体に危険があること(叩かれた、物を投げられた、けがをした)
- 契約や賃金の問題(聞いていた条件と違う、支払いがおかしい)
- その場から逃げたほうがいいと感じること
これらは、またげる小石ではありません。落ち着いてから、ではなく、その日のうちに伝えてください。
| 伝える先 | どんなとき |
|---|---|
| サビ管・生活支援員 | まずはここです |
| 管理者 | 職員に言いにくいとき |
| 相談支援専門員 | 事業所の外の人に聞いてほしいとき |
| ご家族 | ひとりで抱えたくないとき |
「一呼吸置く」は、声を上げる権利を止めるものではありません。言うべきことは、言ってください。
この記事が伝えたいのは、「伝わる形にしてから出したほうが、あなたの得になる」ということだけです。
身につくと、就職してから効きます

こうやって自分の感情をコントロールする方法を学んでいくと、こうなります。
- 職場でのトラブルが減ります
- 一歩立ち止まって考える習慣が身につきます
- 言いたいことを、相手に届く形で言えるようになります
そして、これは就職してから、いちばん効く力のひとつです。
仕事ができるかどうかより、感情的にならずに話ができるかどうかで評価されることは、実際とても多いです。ここは、A型事業所にいるあいだに練習できます。
やり方は、3段です
| 段 | やること |
|---|---|
| 1 | カッとしたら、その場では返さない(今日やること) |
| 2 | 「本当はどうして欲しかったか」を紙に書く |
| 3 | 翌日、職員さんに見せて話す |
1段目だけで十分です。その場で返さない。それだけで、ほとんどの事故は防げます。
言葉が出そうになったら、「あとで書きます」と自分の中で決めてしまうのがラクです。言わないと決めるのではなく、あとにすると決める。このほうが守れます。
いきなりできなくて大丈夫です
すでに言ってしまった方も、いると思います。
そこで終わりではありません。「あのときは言い過ぎました」と一言伝えれば、たいていのことは戻せます。伝えにくければ、職員さんを通してでも構いません。
それに、感情が強く出やすいことには、特性や体調が関係している場合もあります。眠れていない日、薬が変わった時期、疲れが溜まっているとき。意思の力だけの問題ではありません。気になるときは、次の診察で主治医の先生に話してみてください。
| 1か月前 | 思ったことを、その場でそのまま言っていた |
| いま | 一回持ち帰れるようになった |
比べる相手は、周りではなく1か月前の自分です。
まとめ
- 腹が立つこと自体は、悪くありません。その感情は正しいです
- ただし、ぶつける前に一呼吸。相手が職員でも、利用者さん同士でも同じです
- 相談することが、そのまま一呼吸になります。本人以外に言っていいです
- 距離・時間・手段を変える。特に夜中は、送らずに紙に書く
- ただし、ハラスメントや危険なことは、すぐ伝えてください。我慢する話ではありません
札幌市東区の就労継続支援A型事業所ネクサスリンクでは、「いま、かなり腹が立っています」という相談を歓迎しています。言葉にする前の段階で持ってきてもらえるほうが、お互いに助かります。
最後に
強い言葉は、相手を深く傷つけます。そして、言った側にも必ず残ります。
今日は、これだけ決めておいてください。
「カッとしたら、その場では返さない。あとで書く」
言いたいことは、消えません。明日でも言えます。
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札幌市東区の就労継続支援A型事業所ネクサスリンク
































