札幌で就労継続支援A型事業所を探していると、ふとした夜に不安が押し寄せてくることがあるかもしれません。「自分に働けるだろうか」「続けられるだろうか」。そんなとき、スマートフォンのAIに、誰にも言えない気持ちをそっと打ち明けたことはありませんか。
返事はいつも早く、否定もしてきません。24時間どんなときでも言葉を返してくれる相手は、たしかに心強いものです。けれど、その便利さの裏側を、一度だけいっしょに考えてみたいのです。私たちネクサスリンクは、札幌でAIを仕事に使っている就労継続支援A型事業所です。だからこそ、AIの得意なことも、苦手なことも、現場の実感として知っています。今日はあえて、その「苦手なこと」のほうを正直にお話しします。
困ったとき、AIに相談すること自体は間違っていない

つらいときにAIに話しかけること自体は、決して悪いことではありません。
ひとりで抱え込んで、誰にも言えずに固まってしまうより、まず言葉にしてみる。その相手がAIだったとしても、最初のきっかけとしては十分に意味があります。気持ちを文字にするだけで、頭のなかが少し整理されることもあります。「こういう相談窓口があるよ」と教えてもらえることもあるでしょう。
ですから、この記事は「AIに相談するな」という話ではありません。むしろ逆で、頼っていい。ただし、頼り方にはちょっとしたコツがあるという話です。札幌でA型事業所を探しているあなたにこそ、知っておいてほしいことなのです。
AIは“正しい答え”は出せても、あなたの現実までは知らない

ここからが本題です。私たちが毎日AIを使っていて、いちばん肝に銘じているのがこの点です。
AIは「次に来そうな言葉」を選んでいるだけ
今の対話型AIは、ものすごい量の文章を読み込んで、「この言葉のあとには、だいたいこの言葉が続く」という確率を覚えています。だから人間が書いたような自然な文章を返せる。けれど、それは世界を本当に理解しているのとは違います。
AI研究者のなかには、今のAIには「世界モデル」――その世界が実際にはどう動くのか、という手応えのある理解――が欠けている、と指摘する人がいます。たとえば、ルールがほとんど変わらないチェスでさえ、最新のAIが反則の手を平気で指してしまうことがある。膨大な対局を読んでいるのに、ルールそのものを自分のものにできていないからです。
教科書どおりに正しくても、その先で何が起きるかは見ていない
これは、人生の相談でも同じことが起こります。
最近、ある出来事が大きく報じられました。スポーツチームを率いる、誰もが名前を知るような人物が、家庭でのある出来事をきっかけに逮捕され、その翌日には長年の職を去ることになった――。きっかけのひとつは、ご家族が「どうしたらいいか」とAIに相談したことだった、と伝えられています。AIは「匿名で相談できる窓口がある」と案内しました。その案内そのものは、まっとうで、教科書どおりに正しいものです。けれど、そこから連絡が次々と連鎖し、ご本人が望んでいた以上に事が大きくなってしまった――そうも報じられています。
念のため申し添えます。私たちはこの件の当事者ではなく、報道で知る範囲のことしか分かりません。家庭のなかのことは当事者にしか分からないことで、誰が良い・悪いという話をするつもりはまったくありません。ただ、ひとつだけ確かに感じるのです。スマホでのAIへのたった一言が、現実をここまで動かしてしまう時代に、私たちはもう入っている。AIは「いちばん無難で正しい答え」を返しただけで、そのご家族が実際にどんな状況にいて、その一本の連絡が何を引き起こすのか――その先で何が起きるのかを、AIは想像すらしていなかったのです。
なぜ私たちは、AIを賢い相談相手だと感じてしまうのか

中身が「言葉の確率」だとしたら、どうして私たちはここまでAIを信じてしまうのでしょう。
実は60年前から知られている現象
これは新しい話ではありません。今から60年ほど前、相手の言葉を少し言い換えて返すだけの、とても単純なプログラムが作られました。「最近つらくて」と打つと「どうしてつらいのですか」と返すだけ。それだけなのに、本物の相談員と話していると思い込む人が現れたのです。
人は、少し賢そうに見える相手に対して、「この相手は分かってくれている」と勝手に感じてしまうところがあるのかもしれません。中身が空っぽでも、です。
弱っているときほど、信じたくなる
そしてAIにいちばん頼りたくなるのは、冷静なときではありません。動揺しているとき、追い詰められているとき、誰にも言えないときです。
そういうとき、24時間いつでも答えてくれて、否定もしてこない相手がいたら、すがりたくなるのは自然なことです。責められるべきことではありません。ただ、いちばん心が弱っているときこそ、相手が誰なのかを思い出してほしいのです。
AIが得意なこと、苦手なこと

私たちは仕事でAIを使うので、その線引きを毎日体感しています。
答え合わせができる世界では、AIは頼れる
計算、プログラム、文章の下書き、誤字のチェック、調べ物の入り口――こうした「正解がはっきり決まっている」「あとで確かめられる」仕事では、AIは本当に頼れる相棒です。ネクサスリンクでも、こうした場面ではどんどんAIを活用しています。AIを使いながら仕事を覚えていく取り組みについては、別の記事でも紹介しています。
人生・人間関係・やり直せないことは、AIの苦手な場所
いっぽうで、答えがひとつに決まらないこと、やり直しがきかないことは、AIがいちばん苦手とする領域です。
人間関係、家族のこと、これからの人生――そこには「みんなにとっての正解」はありません。あなたのお父さんは、世界の平均的なお父さんではない。あなたの状況は、データのなかのどこにもない、たったひとつのケースです。AIが返してくるのは、世界中の似た場面で「平均的にこうしてきた」という、いちばん無難な答え。それはあなたの人生そのものには、ぴたりとは当てはまりません。
皮肉なことに、私たちがいちばんAIに頼りたくなる場面こそ、AIがいちばん苦手な場面なのです。
「AIがそう言ったから」を、決断の言い訳にしない

もうひとつ、最近よく見かけるようになったことがあります。
「どうしてそうしたの?」と聞かれて、「AIがそう言ってたので」と答える場面です。一見ちゃんとした理由に聞こえますが、よく考えると「自分では何も判断していません」と言っているのと同じです。考えることをAIに預け、ついでに、外れたときの責任までAIに肩代わりさせている。
これはとても楽です。自分で決めていないから、間違っても痛くない。けれど、考えを手伝ってもらうことと、考えることそのものを明け渡すことは、まったく別です。最後に決めた責任を引き受けるのは、いつも自分でありたい。ここだけは、AIに渡してはいけない場所だと思うのです。
札幌でAIを仕事に使う私たちだからこそ、利用者さんに伝えたいこと

ネクサスリンクは、札幌市東区・地下鉄東区役所前駅直結の就労継続支援A型事業所です。データ入力やデザイン、EC運営など、AIと並走しながら働く仕事をしています。利用者のみなさんも、日々の業務でAIに触れています。
だからこそ、私たちは利用者のみなさんにこう伝えています。AIは、考える作業を肩代わりしてもらう相手ではなく、考えるのを手伝ってもらう相棒だと。下書きを作ってもらう、アイデアを広げてもらう、調べ物のとっかかりにする――そこまではAIの出番です。でも、「これでいこう」と最後に決めるのは、いつも自分。AIを上手に使いこなせる人は、自分でハンドルを握り続けられる人です。
仕事でそう向き合っているから、人生の相談でも同じだと胸を張って言えます。正しそうな答えを出すのはAIにもできる。でも、その答えを引き受けて、その先を生きていくのは、いつだってあなた自身なのです。札幌でA型事業所を探すとき、どんな事業所を選ぶべきか迷っている方は、こうした「AIとの向き合い方」まで一緒に考えてくれる場所かどうかも、見学のときに確かめてみてください。
まとめ:最後に決めて、引き受けて生きるのは、あなた
困ったとき、AIに相談するのはいい。窓口を教えてもらうのもいい。一人で抱え込むより、ずっといい。
ただ、その先の「自分はどうしたいのか」「これをしたら何が起きるのか」という、いちばん大事な判断だけは、生身の人間であるあなたが握っていてください。できれば、信頼できる人――家族でも、支援員でも、専門の相談員でもいい――に、声に出して話してみてください。朝、どうしても動けない日が続いているようなときも、まずは誰かに話すことから始まります。
もし、つらい気持ちが続いていたり、どうしていいか分からないときは、お住まいの地域の相談窓口や、公的な電話相談を頼ってください。札幌で就労継続支援A型事業所をお探しなら、ネクサスリンクでも、働くことや日々の不安について、いつでも見学・相談を受け付けています。AIに最初の一歩を手伝ってもらいながら、最後の一歩は、あなた自身の足で選んでいきましょう。
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