「就労継続支援A型 やめとけ」「A型事業所 おかしい」——検索するとこうしたネガティブな言葉がずらりと並びます。これからA型の利用を検討している方にとって、不安になるのは当然のことです。
この記事は、第三者のまとめサイトではなく、札幌で実際にA型事業所を運営している私たちネクサスリンクが書いています。ネット上の「やめとけ」という声には、根拠のある指摘もあれば、一部の事業所の問題が全体のイメージになってしまっているものもあります。
不安なまま一歩を踏み出すのは難しいからこそ、現場の実態を包み隠さずお伝えします。
「就労継続支援A型はやめとけ」と検索される背景

Googleで「就労継続支援A型」と入力すると、サジェスト(予測変換)に「やめとけ」「おかしい」「意味ない」「デメリット」といった言葉が表示されます。就労支援を探している方がこれを目にすれば、不安を感じるのは無理もありません。
こうしたネガティブなイメージが広まった大きなきっかけの一つが、2017年に起きたA型事業所の大量閉鎖問題です。一部の事業者が、国からの給付金を主な収入源としながら事業所を運営し、経営が立ち行かなくなると利用者を大量解雇するという事態が全国で相次ぎました。これを受けて厚生労働省は基準を改定し、利用者への賃金は生産活動の収入から支払うことを原則とするルールを設けました。
この改定自体は業界の健全化に向けた正しい判断でしたが、結果として多くの事業所が閉鎖に追い込まれ、「A型事業所は危ない」という印象が残ってしまったのです。
つまり「やめとけ」の声は、事実に基づく部分も確かにあります。だからこそ、何が本当の問題で、何が誤解なのかを正しく知ることが大切です。
A型事業所が「やめとけ」と言われる5つの理由と現場の実態

ネット上で語られる「やめとけ」の理由を5つに整理し、それぞれについてA型事業所の運営者として現場の実態をお伝えします。
理由1:給料が安くて生活できない
厚生労働省「令和5年度工賃(賃金)の実績について」によると、就労継続支援A型事業所の全国平均賃金は月額86,752円です。一般企業のフルタイム勤務と比較すれば、確かに高い金額とは言えません。
ただし、この数字の背景には「A型事業所の多くが短時間勤務である」という事実があります。A型は1日4〜5時間勤務が一般的で、フルタイムとは前提が異なります。
ネクサスリンクの場合、北海道の最低賃金1,070円で週20時間からの勤務となり、月収の目安は約8.5万円です。この金額だけで生活のすべてをまかなうのは確かに厳しいですが、障害年金や生活保護と併用することで、無理のない生活設計を立てている利用者の方が多くいらっしゃいます。
「安いからやめとけ」ではなく、「収入の柱をどう組み合わせるか」という視点で考えることが大切です。
理由2:単調な軽作業ばかりでスキルが身につかない
「A型事業所の仕事=箱詰め・シール貼り・部品の仕分け」というイメージをお持ちの方は少なくありません。確かに、軽作業が中心の事業所が多いのも事実です。
しかし、すべてのA型事業所が同じ業務を行っているわけではありません。近年はIT業務やクリエイティブ業務を手がける事業所も増えてきています。
たとえばネクサスリンクでは、ECサイト(ネットショップ)の運営を中心に、商品撮影・画像編集・データ入力・Webデザイン・動画編集といった業務を行っています。Adobe PhotoshopやIllustratorといったプロ仕様のソフトを、事業所のハイスペックPCで実際に使いながら学べる環境です。
「A型ではスキルが身につかない」と感じるかどうかは、どの事業所を選ぶかで大きく変わります。
▶ 関連記事:ECサイト運営ってどんな仕事?未経験からWebスキルが身につく札幌の就労支援A型の実態
理由3:事業所が突然閉鎖するリスクがある
先述の2017年の大量閉鎖問題の影響で、「ある日突然、事業所がなくなるかもしれない」という不安を感じる方は多いです。これは利用者にとって非常に深刻な問題であり、心配されるのは当然です。
閉鎖に至った事業所の多くに共通していたのは、国からの給付金に経営を依存し、自社の生産活動で十分な売上を立てられていなかったという構造的な問題です。
一方で、安定して運営を続けている事業所には共通点があります。それは、自社で実際にビジネスを行い、その収益で利用者の賃金を支払える体制を持っているということです。
ネクサスリンクの場合、ECサイト運営を中心としたIT事業と飲食事業を柱としており、自社の生産活動から売上を立てています。見学の際に「この事業所はどんな事業で売上を立てているのか」を質問してみることは、経営の安定性を見極める有効な方法です。
理由4:休みにくい・体調管理が厳しい
A型事業所は雇用契約を結んで働く場所です。就労継続支援B型と比べると出勤の安定性が求められるため、「休みにくいのでは」と心配する声もあります。
確かに、無断欠勤を繰り返すことは難しいですし、それはどんな職場でも同じことです。ただ、「体調が悪いのに無理やり出勤させる」ような事業所がもしあれば、それは事業所側の問題です。
ネクサスリンクでは、当日の連絡で体調不良による欠勤や時間調整に対応しています。通院がある日は勤務時間をずらすことも可能です。精神障がいや発達障がいのある方は体調の波があるのが自然なことですから、それを前提にした柔軟な対応ができるかどうかが、事業所選びの重要なポイントになります。
理由5:一般就労にはつながらない
「A型で何年働いても、結局そこから先に進めないのでは?」という声もあります。
率直にお伝えすると、A型事業所は「一般就労のための訓練施設」ではなく、「支援を受けながら安定して働く場」です。一般企業への就職活動を全面的にサポートする機能は、就労移行支援事業所のほうが充実しています。
これは制度の目的が異なるためであり、A型のデメリットというよりも、そもそも何を求めてA型を利用するのかによって評価が変わるポイントです。
「今はまだ一般就労のプレッシャーが大きい。まずは安定した環境で、働くリズムを取り戻したい」という目的であれば、A型は非常に適した選択肢になります。逆に、「できるだけ早く一般企業に就職したい」という方には、就労移行支援のほうが合っている場合もあります。
すべてのA型事業所が同じではないことを知ってほしい

「A型はやめとけ」という言葉は、「すべてのレストランはまずい」と言っているのに近いかもしれません。
全国にはA型事業所が約4,000箇所以上あり、業務内容も支援体制も経営方針も事業所ごとにまったく異なります。箱詰め作業が中心の事業所もあれば、IT業務に特化した事業所もあります。利用者への対応が手厚い事業所もあれば、残念ながらそうでない事業所もあるのが現実です。
ネクサスリンクは札幌市東区の東区役所前駅に直結した立地にあり、EC運営・Webデザイン・動画編集などのIT業務とバックオフィス業務に特化しています。週20時間からの勤務が可能で、シェフが調理する200円ランチも用意しています。
ただ、これはあくまで私たちの事業所の話です。大事なのは、ネット上の情報だけで「A型そのもの」を判断するのではなく、複数の事業所を比較して自分に合う場所を探すことです。
▶ 関連記事:札幌の就労継続支援A型事業所を比較して自分に合った事業所を見つけよう
こんな方にはA型が「合わない」可能性もあります

正直にお伝えすると、A型事業所が誰にとってもベストな選択肢とは限りません。以下のような場合は、別の支援制度のほうが合っている可能性があります。
一般就労への就職活動を最優先にしたい方は、就労移行支援事業所の利用を検討してみてください。履歴書の添削、面接練習、企業実習など、就職に向けた手厚いサポートが受けられます。原則2年間の利用期限がありますが、その分、集中して就職準備に取り組むことができます。
体調の波が大きく、週3日以上の通所が難しい方は、就労継続支援B型事業所が選択肢になります。B型は雇用契約を結ばないため、自分のペースで無理なく通うことができます。工賃はA型より低くなりますが、まずは生活リズムを整えることを優先したい方には適しています。
最低賃金以上の収入をすぐに得たい方は、障害者雇用枠での一般就労も視野に入れてみてください。企業側に合理的配慮を求めながら、フルタイムに近い働き方ができる場合もあります。
自分に合った支援がわからない場合は、お住まいの地域の相談支援事業所や、ハローワークの障害者窓口に相談してみることをおすすめします。
札幌でA型事業所を選ぶときにチェックしたい3つのポイント

最後に、A型事業所選びで後悔しないための具体的なチェックポイントを3つご紹介します。
1つ目は、必ず見学・体験利用をすることです。ネット上の情報だけでは、実際の雰囲気やスタッフの対応はわかりません。「百聞は一見に如かず」で、自分の目で確かめることが何より大切です。多くのA型事業所が無料の見学や体験利用を受け付けていますので、気になる事業所には気軽に問い合わせてみてください。
2つ目は、「どんな事業で売上を立てているか」を聞くことです。これは事業所の経営安定性を見極める重要な質問です。「利用者の方にはどんな業務をお願いしていますか?」「その業務はどのようなお客様向けですか?」と聞いてみましょう。明確に答えられる事業所は、自社の生産活動がしっかりしている証拠です。
3つ目は、体調不良時の対応ルールを事前に確認することです。「当日連絡で休めるか」「通院日は勤務時間をずらせるか」「体調の波がある時期に勤務日数を減らせるか」など、具体的に聞いておくことで入所後のミスマッチを防げます。
A型の利用を検討している方は、下記の記事でA型の利用開始までの具体的な手順を紹介していますので、参考にしてみてください。
▶ 関連記事:就労継続支援A型の利用開始までの8ステップ
まとめ
「就労継続支援A型はやめとけ」というネット上の声には、根拠のある指摘もあります。2017年の大量閉鎖問題や、一部の事業所における支援体制の不足は、業界として真摯に受け止めるべき事実です。
しかし同時に、すべてのA型事業所が同じではありません。業務内容も、支援の手厚さも、経営の安定性も、事業所ごとにまったく異なります。
大切なのは、「A型そのもの」を良い・悪いと判断するのではなく、「どのA型事業所が自分に合っているか」を自分の目で見て判断することです。
ネクサスリンクでは、見学・体験を随時受け付けています。この記事を読んで少しでも気になった方は、まずはお気軽にお問い合わせください。あなたに合った働き方を、一緒に考えていきましょう。
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